世論の動きから見て、いずれこういう形の判決が出てくるだろうとは思っていたが、ここまで踏み込んで思いっきり腰を入れた判決が出るとは予想外であった。

1.人格権擁護の視点

判決は、人格権が侵害される恐れがあるときは、その侵害行為の差し止めを請求できる としている。これは憲法解釈をふくむ判断だ。

「国民の生存を基礎とする人格権」という考えは、私にとって斬新なものだ。少し勉強しなければならない。

この考えを基本に据えると、次のようなセリフが吐けることになる。

極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等を並べて論じることは…法的には許されない

2.裁判所の責務の提起

もう一つは、裁判所の責務にかかわる提起である。

「原発の危険性およびそのもたらす被害の大きさ」を認識したいま、司法が逡巡することは許されないという強い意思表示である。

判決は、こうした具体的な危険性が万が一でもあるかどうかの判断を避ける事は「裁判所に課されたもっとも重要な責務を放棄するに等しいもの」と言い切っています

この判断は、これからの各地で起こされるであろう裁判に与える、もっとも深刻な提起となっているであろう