退職して6日、早くも怠惰モードというか引きこもりモードに突入している。
最大の理由は、退職の記念品としていただいたパソコンの稼働に四苦八苦しているからである。
このパソコンはThinkPad Edge という。私が就職するときに貸与されたものである。キーボードの脇にシールが貼ってあって、「H22.7.12」納品と書いてある。思えば7年近く酷使してきた「愛器」である。
昔なら5年も使えば“Out of Date”なのだが、昨今は世の中停滞しているから平気で現役だ。
これにLANケーブルを接続してネット環境としていたが、家に持って帰るとさすがに今どき有線LANではない。WiFi環境に適合してもらわなければならない。
ところがこれがからっきしだめで、Deviceを見るとつながるはずなのにまったくうんともすんとも言わない。Lenovoのサイトからダウンロードしたりいろいろ試してみたが、にっちもさっちもいかなくなった。パソコンに強いお兄さんの所に行って頭を下げたが結局駄目だった。
火曜日に決意して電気屋さんに行って修理を頼んだ。おそらく2,3万はかかるものと覚悟していた。ところが電気屋の兄さん、ちょっといじってみて「これはだめだ」とのご託宣。すると「お客さん、修理に出すなら外付けでしのいだほうがいいですよ」ということになった。
売り場からみそ汁の豆腐を半分にしたくらいのツールを持ってきてUSBにつないだ。「バッティングしなければ良いが」と言いつつ再起動すると、みごとにWiFiの候補が並ぶ。
「無線LANの子機」というのだそうだ。定価わずか2500円。「あまり早くはないんですけどね」というのだが、これまでの有線LANよりはるかに速い。今までがいかに劣悪なLAN環境であったかが実感される。
「これで良さそうですね。あとは家に帰ってつなげてみてください。だめならまた考えましょう」と家に帰って、パスワードを入れるとみごとにつながった。2日間かけた難題はこうやってあっけなく解決した。

本番はそのあとだった。
次が32ビットから64ビットへのバージョン・アップ。このために本日朝8時から夜の11時まで15時間を費やした。Output48さんのページを参考にして作業を開始したが、難関が何箇所かある。
①まずWindows10の32ビット版にアップグレードして、それから64ビット版へとアップグレードしなくてはならない。
後になって64bit版でアップグレードできた事を知り、パソコンを確認したら64bit OSに対応していたので、早速、Windows 10 32bitをWindows 10 64bitに変更してみた。
結果オーライだが、Windows7を10にアップグレードしてからでなければ、32を64にはできないということだ。ただというのは、「ただほど高いものはない」というほどではないが、決してただではないのだ。
②起動ディスクを作るのに3時間かかった。SDカードでもよいと思うのだが、USBメモリースティックでなければだめだというのだ。少なくとも4ギガ以上の容量がないとだめだということで、それから電気屋さんに走って、買ってきた。
「他のPC用にインストール メディアを作る」を選択する。
というのが、実は曲者で、アップグレードしようとしているパソコンで作った起動ファイルはうまく動かないのだ。もう一台のパソコンで作るというのが、肝である。これが分かるのに2時間を要した。
③どうやら起動ディスクができたが、今度は起動ディスクを立ち上げるためのBIOSの変更に戸惑った。各種のレポートはそれこそ千差万別であり、機種が変われば品変わる、ということだ。一言でいえば「参考にはならないが気にはなる」という具合である。
私のパソコンのBIOSは買った時のままであり、いろんな説明を見てもBIOSの操作法が全く違う。「今浦島」の心境になった。
しかしBIOSの更新は下手をすれば機械が壊れるというリスクをしょっている。どうしようかと悩んだとき、たまたまどこかの大学のホームページで古いBIOSでブートする方法が載っていて、それで起動ディスクによる起動ができた。
ただし今になって考えると、それはBIOSの問題というよりは、起動ディスクの作り方が間違っていたせいのようだ。
④もう日は沈み、あたりは暗くなっている。起動ディスクによる立ち上げは順調に進み、あと一歩でWindows10-64ビット版がインストールというところまで行った。
だが、ここでどんでん返しが待っていた。Output48さんのページでいうと、OSインストールの手順の8から9の間のところだ。
「ディレクトリーが作れません」ときたものだ。コラムは三択になっていて、ドライバー0のパーテーション1,2,3のどれかを選ぶ仕掛けになっているのだが、どれを選んでも結果は同じ。
ほとんどあきらめかけたところに、どこかのページで「パーテーションは全部つぶしてのっぺらぼうのディスクに書き込まなければならない」と書いてあったのをみつけた。
これは相当怖い話で、三つに分かれていたプログラムを全部フォーマットしなければならない。もし失敗すれば、このパソコンは全く空っぽの箱になってしまう。「まあその時は製品版のWindows10を買うまでだ」と心に決めて全部消した。そして起動ディスクを「えいっ」と走らせた。
なんと動いたのである。
⑤Windows10 64ビット版のインストールが始まった。「あとは治まるところにおさまるだろう」と嫁さんの夕食介助に取り掛かり、ついでに自分の飯(といっても肉まん1個)も済ませて再びパソコンの前に座ると、何たることか、立ち上げプログラムがハングアップしているのである。
それもつまんない話で、マイクロソフトのサインアップ画面がフリーズしているのだ。「キー番号を入れろ」というのだが、そもそもそんな話聞いたことないし、前にも後へも進めない。
とにかく強制終了して再起動してもその画面に戻るので、さすがにこれには参った。もうこのパソコンを捨てるしかない、とあきらめてシャットダウンした。これが夜の10時。
これまで使ってきたパソコンを持ち出してまたセッティングして仕事を始めた。そして30分ほどしてから、未練がましくもう一度スイッチを入れてみた。
なぜか動くのである。そして何回か「次へ」とかなんとか押してるうちに、突然Windowsが立ち上がってしまったのである。
「まさか」と思いつつ、コントロールパネルからWindowsのバージョンを調べてみた。なんとすごいことに、まさにWindows10の64ビット版が立ち上がっているのだ。
いまだにどうしてこのようなことになったのか、自分でもわからない。きっと神様が私のことを不憫に思ったのだろう。
さすがに早い。メモリー増設の効果が初めて体験できた。
Output48さんのページに書かれていない四つの教訓
1.起動ディスクはほかのパソコンで作成すること。
2.BIOSは怖くはない。
3.パーテーションはすべてチャラにすること。
4.マイクロソフトのサインアップは1回電源を落として機械を冷やすと回避できる。
こうやって教訓を垂れることができるのも、成功したおかげだ。もし敗北のまま終わっていたら2,3日は立ち直れなかったろう。
ただ、これだけの苦労する意味が本当にあったのだろうか、とも思う。