P680と並んで、もう一つの宿題が水分解の駆動力だ。

光合成-2 に水分解の過程が示されている。

h2o3

チラコイド内腔の水の分解は、PSⅡ複合体に結合したマンガン結合たんぱく質マンガンクラスタ-によって触媒される。

「2H2O→4H++O2+4e- 」の反応は段階的に進む(S0→S1→S2→S3→S4)

最終的に遷移状態のS4を経てS0状態に戻る際に、水が酸化されて一挙に酸素を発生させる。

水を分解してできた水素イオンはチラコイド内腔に放出され、酸素は細胞外へ出されて気孔から出て行く。

そして電子がチロシンを運び手としてP680に手渡されるわけだ。

問題はS0→S1→S2→S3→S4と進むための駆動力だが、絵を見るとなにやら上の方からホエホエと茶色の波線が降りてくる。こいつは一体なんだろうか。


光合成(福岡大学のサイトらしい)には同じ過程が別の図で示されている。

ps_oxcom

何ということはない。水分解回路も光エネルギーで回っているのだ。茶色のホエホエは光線だったのだ。

酸素発生複合体(水デヒドロゲナーゼ, OEC)は,Mnイオンを4つもつ,金属タンパク質である。この酵素は光のエネルギーを利用して2分子のH2Oを4電子酸化し,酸素(O2)を生成する。光子8~10個当たり1分子のO2が生じる。

これで一応光合成の第一段階は落着したようだ。

なお付記しておくことがある。

一つは、PSⅡの方でも、同じくクロロフィルの励起が繰り返されること。このときはP680ではなくP700というクロロフィルが用いられるが、似たようなものだ。

つまり光エネルギーは三度用いられることになる。水分解の過程を4回と数えれば全6回ということになる。しかしこういうふうに書いてある教科書はなかった。

もう一つは、この過程でチラコイド内に吐き出された4H+の行方である。プロトンが膜の片側に増えれば著しいpH勾配が生じるが、これを利用してADPとリン酸から1分子のATPが合成される。いわば廃物利用みたいのものか。

これがわかったおかげで、カルビン回路にどこからともなくATPが出現してくる機序が見えてきた。

暗反応の方はやたらと固有名詞が登場するのが面倒だが、理解するのに本質的な苦労はない(と思う)。