分子科学研究所の坂田忠良さんによる「光エネルギーによる水素製造」という解説を見つけた。 

…(前略)

2.植物の光合成と人工光合成 

…これらの反応はすべて水を還元剤としており,水の分解反応が基本になっていることがわかる。

…とくに水の分解によって製造される水素は,未来の水素エネルギーシステムを支えるものと期待される。

3.光触媒の原理

水・炭酸ガス・窒素などは、それ自身では太陽光を吸収しない。したがって、光化学反応を起こすためには仲介者が必要となる。これが光触媒である。

「おいおい、ちょっと待ってよ」という感じだ。いままでの論者はこんなことは一言も言ってなかった。それだけでも信用できなくなる。

植物における光触媒はクロロフィル(色素)である。色素の光励起で電子が生じる。

と書いてあって、その下の図で少しだけ納得が行った。

hikarishokubai

つまり電子供与体=水分子が、触媒である葉緑素の表面に接する。そうすると光エネルギー(hν)の力によってエネルギー準位を上げる。エネルギー準位を上げた水分子は、自己分裂してH+とOH-になる。このH+が電子伝達系の起動力となっていく、という構図である。

これは水の電気分解とはかなり異なる景色である。

それを最初に言ってくれれば、いままでの苦労はしなくて済んだものを。


この論文は、このあと光触媒の開発の話に移っていくので省略するが、正直な話、今のところそれほど大したものは出てきてないようだ。