「輸出価格が下がらない」というのは、「エコノミスト」の受け売りのようだ。

週刊「エコノミスト」の4月1日号「特集:景気大失速 輸出」で日鉄住金総研チーフエコノミストの北井さんという人が、「景気の牽引役はもはや無理 円安が進んでも輸出は増えない」というレポートを書いている。

そのなかで、

円安が進んだわりになぜ輸出が増えていないのか。その理由は三つ指摘できる。①輸出価格の設定方法の変化、②製造業の海外生産シフト、③新興国を中心とした外需の低迷──だ。

と書いてある。(以下お読みになりたい方はご購読を)ということで、中身はわからない。阿修羅あたりでコピペしてくれないかな。

これは、日銀の石田審議委員も指摘している。

輸出物価の変動幅が円相場の変動幅に比べ、小さい。円安に振れた割には価格が下がっていない。…一部の企業においてマージンを第1で、数量を第2にしている

内閣府が発表した「日本の活力の発揮に向けて」というレポートでは、

(3)企業の価格設定行動(輸出品を例に)

付加価値生産性を高めるには、販売価格の設定も重要である。

我が国企業の輸出については、これまで、為替が円安方向に変化した際に、現地販売価格(ドル建価格)を引き下げて、販売数量を拡大しようとする価格設定行動がみられた。

しかし、2012年11月以降の輸出価格の動きをみると、現地価格の引下げは抑え(円建輸出価格を引き上げて)、収益を拡大する傾向が出てきている。

下の図は財務省「貿易統計」、内閣府「景気動向指数」「企業行動に関するアンケート調査」、日本銀行、IMF、OECDにより作成したもの

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以前であれば5%程度を戻しても、残りは価格引き下げに回し、シェア拡大を計った。しかし今回は15%を利益確定してしまっている。

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しかし実績の輸出数量は、価格設定要因だけでは説明出来ない伸び悩みを示している。これは海外需要の弱さ等を示唆している。


といったあたりが、輸出価格の高止まりをしめすデータ。ただこういった企業行動の背景に踏み込んで、データで示した資料はなく、ブログ主の推量のみ。

私が想像するには、たとえば自動車だったら、現地生産の自社製品とのバッティングを恐れているのではないだろうかということだ。念頭にあるのは日本のことより我が社のことだ。だとすればずいぶんケツの穴の小さい話ということになるが…