本日は音楽鑑賞三昧。
最初はオーギュスタン・デュメイというフランス人のバイオリニスト。以前にも書いたことがあると思うが、もう6,7年も前、釧路時代にテレビで度肝を抜かれたことがある。
関西フィルの演奏会が放送されて、この人がいきなりラヴェルのツィガーヌを弾いて、それがすごかったのだ。多分ホールの音響がよく響いたのも関係しているだろう。
その時はそれで終わったのだが、しばらくしてからベートーヴェンのバイオリン・ソナタを聞いて、この人はただのフランス物のスペシャリストではないなと感じた。私はむかしからコーガン・ギレリスの親子コンビが好きだったのだが、録音も考えるといまやこちらが上だ。あの入れ墨おばさんのピレシュが洒落っ気を入れて、それをデュメイが受け止めるという演奏スタイルだ。
ここまでが既報。
本日はデュメイとピレシュに中国人のチェロ弾きが加わったブラームスのピアノトリオ第1番。二人の掛け合いもさることながら、中国人のチェロの美音に心奪われた。Jian Wangというらしい。
ウィキペディアで調べると、ジャン・ワン(王健)という。68年、西安の生まれ。文化大革命の只中だ。かなり苦労したらしいがアイザック・スターンの引きでアメリカに留学し頭角を現したらしい。
とにかく音が明るく伸びやかで、バイオリンでも弾くように良く鳴る。ピレシュがまた良くて、ガンガン押さえつけるのではなく、要所要所に刺さりこんできて味の効いたフレーズを奏でる。第2楽章ではヤマハ・ピアノの弱音の抜けの良さが堪能できる。
これを受け止めるデュメイの貫禄が聞きどころだ。
この曲ではカッチェン・スーク・シュタルケルの名演があってどうしようもないみたいなところもあるが、ブラームスらしくないブラームスを聞きたいときは一番のおすすめと思う。