今宮謙二さんが赤旗経済面に「経済の劣化示す消費低迷」という短評を書いている。
中身は中身として面白いのだが、この中で下記のような一節が心に残った。
基本は資本主義の行き詰まりです。
第一に、大企業や富裕層が自らに有利な流れを作っています。
第二に、その結果として格差が拡大し、国民の間に不安が広がっています。
第三に、その中でトランプ政権のようなむき出しのナショナリズムが広がっています。
第四に、平和と民主主義の危機に対する市民の運動が広がっています。
これらが世界的な新しい局面です。
たしかにこの4つの流れに分けて考えると、物事が整理されてくるような気がする。
その際に、対立軸が第一の流れと第四の流れとの対抗としてあることも、おさえておくべきだろう。同時にほかの3つの流れは嫌でも目に入ってくるが、第四の流れは調べて掘り起こしていかないと分からない。
この構図を踏まえながら、第四の流れ「平和と民主主義の危機に対する市民の運動」を少し肉付けしてみたいと思う。
その際、共産党の大会決定から国内の闘争の到達状況をピックアップしながら、それらの闘争は世界でどう闘われているかを探ってみたい。読者の共感をより得られるのではないかと考えている。

日本における諸闘争の到達状況

第27回共産党大会の決議では、第3章に諸課題での闘争の状況と課題が展開されている。(13)から(21)までの9節に分けられ記述されている。

(13) 安倍政権の危険と、それを打ち破る可能性

(14) 「戦争する国」づくりを許さない――日本共産党の平和の提案

(15) 格差と貧困をただす経済民主主義の改革を

(16) 原発再稼働を許さず、「原発ゼロの日本」を

(17) 沖縄をはじめとする米軍基地問題――全国の連帯を訴える

(18) 憲法改悪を許さず、憲法を生かした新しい日本を

(19) 侵略戦争を肯定・美化する歴史逆行、排外主義を許さない

(20) 日米安保条約、自衛隊――日本共産党の立場

(21) 統一戦線の画期的発展と今後の展望について

この内、(13)節は序論部分、(20)節は理論課題となるため、以下のように番号付けしておく。

1.反戦・平和構築のための闘争(核廃絶の課題をふくむ)

2.反貧困・生活防衛と経済民主主義を目指す闘争

3.反原発の闘争(地球環境課題もふくむ)

4.反基地の闘争(アメリカの軍事支配との闘争)

5.立憲主義と民主主義を守る闘争(人権尊重の闘い)

6.反ファシズム・反動思想との闘い

7.リベラル・ウィングの形成をめぐる試み

これらの闘いは現在進行形で、世界の様々な場所で闘われており、それらを知ることが国際連帯運動の第一歩につながるであろう。