このところ日本AALAが良い本を連発している。

ひとつはこの間も紹介した「日本AALAの60年」という本で、秋庭さんという長年日本AALAに関わった人の回想記だが、AALAの集めた貴重な資料が整理されて膨大な資料集ともなっている。編集者の努力を大とするものである。

ただしこれは「正史」ではない。37回総会前後に関する記述は、流行り言葉で言えば“オルタナティブ・ファクツ”である。あの頃、「ポスト・ミヤケン」の数年間はひどい時代だった。身の証を立てるための努力はいずれしようと思っている。

もう一つが日本AALAの理論情報誌第5号として発刊された南基正さんの講演録である。

こちらの方は「目からウロコ」の新発見と「なるほど納得」の連続で、これさえ読んでおけば「慰安婦問題」もばっちりだ。

私も過去20年間、膨大な年表を作成するなど歴史問題にはそれなりに関わってきたつもりだが、振り返ってみると“中抜け”の感を免れ得ない。

これは日本語資料の作成者のほとんどが在日朝鮮人であったことがかなり影響していると思う。1987年の激動を出発点とし、その後韓国社会の変化を身をもって体験しながら、イデオロギーに凝り固まらないリアルな視点を貫く学者の論文は初体験かもしれない。

パンフレットは薄いのだが、中身は重い。はじめる前からいささかたじろぐのだが、少し詳しく読書ノートを作っていきたい。


目次

1.日韓関係を見る視点

2.戦場国家と基地国家

3.韓国のナショナリズム

4.サンフランシスコ条約と韓国

5.朝鮮戦争と日本の役割

6.60年の学生革命: 近代化路線と日韓提携の模索

7.日韓条約と請求権協定

8.日韓関係のゆらぎと新冷戦時代

9.87年民主化、金泳三政権、金大中政権

10.二つの談話とパートナーシップ宣言

11.慰安婦問題

12.東アジアの平和の基礎


なお、私の韓国・朝鮮研究については下記を参照されたい。とくに南講演の歴史的背景を知るためには「戦後史年表」を参照していただくようお勧めする。

1.韓国の民主運動紹介

  朝鮮半島の戦後史評価に関して

朝鮮戦争終結50周年(03年の道AALA総会での講演のレジメです。朝鮮半島戦後史への視点を端的に要約しています)

韓国および北朝鮮の戦後史年表 0 (戦後史といいながら戦前編です)   

韓国および北朝鮮の戦後史年表 1    

韓国および北朝鮮の戦後史年表 朝鮮戦争   
韓国の朝鮮戦争後史年表(53年以降) 

北朝鮮の朝鮮戦争後史年表(53年以降)  

日本の植民地支配と朝鮮人民の闘争

  平和と真の独立,そして民族統一を目指す闘い.国家保安法に反対し,政治的自由と民主主義を勝ち取る闘い

紹介:韓国の民主運動(韓国政治問題の全般的紹介です。以下の論文については、この文章から進んでいただくようお勧めします)   韓米行政協定(SOFA)  梅香里射爆場の闘い 老斤里の住民虐殺事件  国家保安法の改正をめぐる闘い  女子中学生轢殺事件  「北」の影響:カンチョル・グループの場合  平沢の反基地闘争

(付)韓総連の自己紹介

  独占資本の横暴を許さず,国民生活を守る闘い.医療民主化を目指す闘い

韓国の労働運動(1998年)  民主労総のゼネスト(1998年執筆)  大宇自動車労組の闘い  民衆医療連合の「医療保険パンフレット」  保険・福祉連帯の決議文  弘津健康センターの紹介(1998年)  医薬分業と医師のスト

  民主勢力の結集に向けて.民主労働党の紹介

民主労働党の結成  民主労働党綱領  民主労働党党憲  民主労働党結党宣言  韓国における民主政党の歴史