篠田さんがすごくいい話をしている。

平成26年度普及啓発講演会北見会場篠田謙一氏「DNAで知る日本列島集団の起源

例によってミトコンドリアDNAについてのわけのわからない話のだが、ここは良い。


アフリカを出た人類の能力は今の私たちと同じ
この人たちが私たちと同じ能力を持っているということを認識することはすごく重要なことだと思います。今、世界にあるさまざまな文明、文化というのは、みんな同じ能力を持った人が作っているということが、非常に重要なんですね。

jinkotu
私は世界のあちこちで発掘をしています。この2枚の写真にある人骨はほぼ同じ時代のものです。今からだいたい3,800年から4,000年くらい前の人たちです。

左側はベトナムの北部で発掘したときに出てきた人骨です。4歳くらいの子どもの骨と女性の骨です。この二人が寄り添うように発掘されました。

おそらく何かの病で亡くなったと思いますけど、そういう人たちが一緒に埋葬されているわけです。

もちろん私たちはこの人たちの名前も風習もわかりません。しかしこれを見ると、この時、この人たちを埋葬した人の気持ちというのがわかりますよね。どういうことを考えてこの人たちを埋葬したのかということも…、

おそらく私たちが今この写真を見て考える通りのことを当時の人も考えたと思います。

それは我々が同じ人間だからなんです。同じものの考え方をして、同じ能力を持った人間だからわかるのです。

右側は北海道の室蘭のそばの入江貝塚というところから出てきた4,000年くらい前の18歳くらいの女性の人骨です。

こちらは一見してわかるように手足が非常に細いですね。この人はおそらく小児麻痺を罹患していただろうと言われています。

寝たきりになっているものですから、運動ができなくて、このように手足の骨が細くなっているわけです。残念なことに18歳くらいで亡くなってしまうわけです。

だけども、こういう人物の骨が発掘されたことによって、私たちは当時の人がどのような社会を持っていたのかということを知ることができます。

一般的には4,000年も前の人ですから、食うか食われるかみたいな非常に厳しい環境で生きていただろうと思いがちです。このように全く寝たきりで何もできない人というのは、その社会にとっては邪魔者のはずですよね。ところがそういう人も18歳くらいになるまでは生きていたわけです。

おそらく罹患したのは12歳、13歳くらいでしょうから、5~6年間は誰かのケアによってこの人は生き長らえることができたということになります。

私たちの社会は、おそらくこのように社会に直接役に立たない、貢献できない人であっても、同じ仲間として保護していく、ケアしていくという気持ちをずっと昔から持っていたということがこの骨を見てわかるのです。


何かウルウルしてくるような、嬉しい話です。

篠田さん、ありがとう。