今はもう10時。そろそろまとめに入ろう。

46億年前、太陽とともに地球ができた。最初は火の玉で、とても生命が存在する余地はない。

しかし意外と生命が誕生するのは早い。40億年前には生命の3条件を満たす最初の生命体が誕生した可能性がある。

最初はほとんど酸素がなく、嫌気性代謝を営んでいた。

「共通の祖先」が古細胞と真性細菌に分かれたのは比較的早期とされる。いずれも嫌気性代謝である。

時代を画するものとしてシアノバクテリアが登場した。シアノバクテリアは原核生物でありながら葉緑体(チラコイド)を内包することに成功し、糖(炭化水素)を合成する光合成を営んだ。


 シアノバクテリアが葉緑体そのものだという意見があるが、目下のところ承服し難い。葉緑体そのものが明反応装置(を持つ生命体)と暗反応装置(を持つ生命体)との合体であるとされ、さらなる検討が必要であろう。そして現在の生物と共通するエムデン・マイヤーホフ型の解糖経路でエネルギーを産生した。

その起源は、化石の吟味次第で動揺するが、遅くとも30億年前には活発な活動を開始していた。

彼らは大陸の渚を取り巻くように生育し、地球の酸素量を一気に増やし炭酸ガスを減らした。それは他の生物を酸素毒により死に追いやり、地表の温度を低下させ、オゾンの生成により紫外線量を減らした。

さらに悪いことに、生成される酸素の受け手となっていた地上の還元鉄がほぼ完全に酸化され、酸素の受け手がなくなってしまった。

このままではシアノバクテリアを含めた地球上の生命が死滅するかと思われたとき、真核生物が登場した。20億年前のことである。

真核生物の最大の意義は細胞内のコンパートメント化である。これにより細胞内での他生命との共生が可能となり、みずからをサイボーグ化することに成功した。

最小限確実な異種生命はミトコンドリアと葉緑体であり、ほかについてはさらなる検討が必要であろう。

もっとも重要なことはミトコンドリアの導入であり、これにより極めて効率の良い内燃機関を手に入れたことである。ミトコンドリアの原基はα-プロテオバクテリアという細菌だとされている。

真核生物はシアノバクテリアの作り出す酸素を利用しエネルギーを産生し、炭酸ガスを排出するようになった。

この結果地球上における酸素と炭酸ガスの動的平衡が保たれるようになり、安定した生物環境が創出された。


 真核生物は古細胞から分化発展したとされる。これはRNA解析によるものであり、説得力のある見解ではあるが、他の研究方法によって追認・確立されたとは言い切れない。


その後真核生物のあるもの(植物)はみずから葉緑体のコンパートメント化に成功し、みずから光合成を行うようになった。

そうすると再び酸素の過負荷状態が出現することになるが、そのときにひたすら酸素を消費し炭酸ガスを排出するだけの存在、動物が一気に繁殖することになる。

最近の環境論者の意見に引きずられて、つい酸素=善、炭酸ガス=悪との見解を抱きがちであるが、生命史的にはむしろ逆の見方のほうが適切かもしれない。

動物は酸素を減少させ、炭酸ガスを生成する点において善である。しかも栄養的には植物に対して従属的であるから、動的バランスを越えて増えることはありえない。(はずである)

しかも自ら作った食物連鎖において個体数を自己調節している。実に可愛い存在である。

しかしこの自己調節過程は、人間という特殊な動物の出現によって崩れ始めている。

時々、世界大戦とか民族浄化とかいうナンセンスな集団的自殺行為を繰り返すことによって人口を調節してはいるが、それでも有史以来の人口の増加は凄まじい。

さらに動的バランスを越えた炭酸ガスの異常産生は、もはや植物やシアノバクテリアの酸素産生能力をもってしても追いつかないほどのレベルに達している。

ただし、炭酸ガス産生の増加に比して炭酸ガス分圧の上昇が著名でないこと、酸素が明確な減少傾向にないことは、植物や地衣類の光合成も高まっていることを示唆している可能性がある。

以前、中国の農業問題を勉強したとき感じたのであるが、農業の生産性は生産刺激さえあれば幾何級数的に上昇する可能性があるのだ。そしてその可能性こそが農村の貧困をもたらしているのだ。

農村が苦慮しているのは干ばつよりも雑草であり、漁民が苦慮しているのは乱獲ではなく海水の富栄養化である。

藍藻なくして動物なし