年表を作っていて、どうもシアノバクテリアに関する記載がまちまちなのに困ってしまう。

とりあえず太古代の年表は置いておいて、シアノバクテリアの勉強に移る。

1.なぜ、細菌が藻なのか

シアノバクテリアでグーグル検索すると、「藍藻」が引っかかってくる。

藍藻(blue-green algae)は、藍色細菌(cyanobacteria)の旧名である。

と出てくる。のっけからややこしい。

ふつう「藻」と言えば目に見える草みたいなものだ。目に見えるから色の名前で呼ばれるわけで、細菌ではない。

こちらは細菌としてのシアノバクテリアを調べたいのだがどうなっているのだろう。説明を見ると、細菌は細菌なのだが、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがあって、それが藻のように見えるらしい。

したがって藍藻と言っても藻ではないということになる。

2.どんな細菌なのか

どんな細菌と一口に言えない。地球とほぼ同じ寿命を持つ生物であるから、さまざまな変種がある。

発生学的に見ると、まずは単細胞から出発し、後から糸状体としてつながるようになったらしい。

一番原始的なものでは細胞内にチラコイド(葉緑体)が存在しない。もう少し進化したものでは、窒素固定を行うようになり、さらに多糖類を分泌するものも現れる。

多糖類が増えてくれば糸状体を形成するようになる。さらに糸状体の中で任務分担も生じるようになる。

地上で暮らす種類もあるようで、乾燥耐性が強く、何十年も乾燥状態で休眠できる。

温泉には、70度でも増殖できる好熱性の種が生息している。これが先祖なのだろうか。

3.たった一度の合体体験

地球の歴史の中で細胞と葉緑体が合体したのは、シアノバクテリアでの体験がたった一度きりだということだ。そしてたった一度合体したシアノバクテリアがすべての植物の先祖となったということだ。

この合体の仕方であるが、完成した葉緑体と完成した細菌が正常位で合体したわけではないようだ。

ウィキによると

藍色細菌の2種の光化学系は、2種類の酸素非発生型光合成細菌の融合(もしくは遺伝子の水平移動)によって生じた

とされる。

どういうことかというと、シアノバクテリアの祖先の光合成装置に二種類あって、ひとつは「光化学系Ⅰ」に似た構造をしていて、もう一つは「光化学系Ⅱ」に似た構造をしていて、これが合体したということだ。

葉緑体の構造については以前勉強したことがあって、うっすらと憶えている。

「光化学系Ⅰ」というのは光を感受してそれを電位に変える「明反応」装置で、「光化学系Ⅱ」というのはその活動電位で加水分解して酸素とATPを生成する「暗反応」装置みたいな感じだったかな。

それで、明反応系の方は「鉄硫黄クラスター型」と言い、暗反応系の方は「キノン型」と言う。

紅色光合成細菌は、発生史的にシアノバクテリアに先行していたとみられる。光合成を行っているのに酸素を発生しないのは、電子獲得の材料に水を使わないからである。 (2015年05月16日 より)

肝心なのは「鉄硫黄クラスター型」細菌と「キノン型」細菌はそもそも別系統のものだということだ。

だから葉緑体の合体には二つの偶然が関わっていることになる。まず二つのタイプの細菌が合体する。次いで二つの装置が合体して葉緑体を作るという経過だ。

シモネタ話になるが、男と女が「合体」する。正常位かどうかはどうでも良い。そうして射精すると、精子が泳いで行って卵子と合体する。と考えると分かりやすい(かな?)。

だから説明は(もしくは)ではなく、(そして、遺伝子の水平移動)と書くべきだろうと思う。

4.シアノバクテリアはいつ発生したのか

上の話は大変良くできた話だが、しばらくすると「あれれ?」と思わせるところがたくさん出てくる。

プレ・シアノの細菌は基本的にはシアノと同じで、葉緑体があるかどうかの違いだけだ。葉緑体がなくても「鉄硫黄クラスター型」装置や「キノン型」装置でそれなりのなりわいを立てている。

だから酸素発生はしないが光合成を行う菌や、何をエネルギーにしているかは分からないが酸素とATPを産生する機能を持つ菌がいるということだ。

その辺をどう分別するのかがよく分からない。

それがシアノバクテリアの発生時期をめぐり記載が混乱している原因だろう。

ウィキではこう書いている。

しばらく前には、35億年前の化石とされるものが藍色細菌に似ていることから最古の光合成生物といわれたこともあったが、現在ではこれは認められていない。

これは当たり前の話で、葉緑体をもっているかどうかを別にすれば、そもそも同じ細菌なのだ。「妊婦は人にあらず」と言うに同じだ。

シアノバクテリアの存在を実証するには、その頃の化石を調べる以外にない。その化石がストロマトライトというものだ。西オーストラリアなどに露頭していると言う。

そこでの確かなシアノバクテリアの化石は27億年前のものだそうだ。だからこれからは27億年で統一していくことにする。

あとの面倒な話は省略する。

葉緑体については以下をご参照ください

2015年05月16日