シナプスにおける情報伝達のシークエンス

えらく面倒だが、やはりここが勘所だから頑張ろう。

肝心なのは化学伝達物質が“泳ぐ”しぐさ、向こう岸にたどり着いて上陸する過程、上陸した後ふたたび活動電位に姿を変えて、旅支度を整える過程だ。

トライアスロンの選手が泳ぎを終えて、陸に着くとまず足で歩く。それから自分の自転車を探して乗る。それから今度はペダルを漕いで走り始める。

いわば2つのポイントで区切られた3つの運動形態の変容が、全体として捕まえられなくてはならない。

もう一つはトライアスロンの選手はそれをまったく独力でやるわけではないということだ。泳ぐときにはそれなりのガイドが必要だ。上陸地点には上陸しやすい環境が作られなければならない。着いたところが断崖絶壁では困る。そして濡れた体を拭くタオルも、シューズも揃えられていなければならない。

ということで、シナプス伝達の成否の殆どは受け手の細胞に関わっている わけだ。

ここの部分、教科書では

①情報伝達物質は、シナプス後部で受容体と結合する

②イオン透過型受容体の口を広げて、イオンを通りやすくする。

③イオンが後細胞にどっと入り、細胞内電位を上げる。

④これによってシナプス後部が興奮する

というのが基本コースである。

つまり伝達物質はトライアスロンの選手とは異なり、接岸はするが上陸はしないのである。特殊部隊のごとく城壁(細胞膜)に張り付いて、鍵穴を開けるまでが仕事である。そこから飛び込んだカルシウムやカリウムなどの陸戦部隊が実際の戦闘に当たるのである。


前神経へのフィードバック

城壁の鍵穴を開けて雪崩を打って飛び込んでいくのだから、結構ヤバイ作戦だ。きちっと制御しないと後細胞を破壊してしまう危険もある。

そこで全細胞にどう情報をフィードバックし、伝達物質の放出を調整するかが勘所になる。

この部分の記載はもっと面倒くさい。

シナプス後部ではNitric oxide synthase(NOS; 一酸化窒素合成酵素)がセカンドメッセンジャーである一酸化窒素や2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)などをはじめとするエンドカンナビノイドが産生されることで、活動依存的にシナプス前終末の情報伝達物質の放出を調節している。

この文章は文法的にもあやふやで、何がどうしたのかわからない。

うろ覚えだが、NO(一酸化窒素)というのは血管内皮にあって、血管を弛緩する“いいやつ”だったと思う。それを作る酵素だから、多分“いいやつ”だ。

文章を一生懸命読むと、後細胞の中にその酵素があって、イオンの急速流入に反応して活性が高まる、そこでNOが産生されてシナプス間隙に放出され、それが前細胞に「未だだよ」とか「もう良いよ」とか言うんではないだろうか。