Don’t go back to the 石炭〜石炭火力発電に反対 |石炭発電|石炭火力発電|反原発

というサイトを見つけた。ブログ形式で膨大な資料をアップしている。

その中から「なぜ石炭が問題なの?」というファイルを紹介させてもらう。ちょっと思い入れがある文章だが、事実問題を抜書きしておく。

石炭火発の流れ: 戦後復興期に石炭から石油への移行が進んだが、オイルショックで石炭が見直され、東日本大震災のあとはジワリと増えた。現在は発電の30%を石炭火発が担っている。

石炭火発の長所: ①化石燃料の中では安い。②石炭は埋蔵量が多く、価格も供給も安定。③主要輸入先であるオーストラリアやインドネシアの政治的安定。

ただし価格の面では楽観を許さない。世界各国で石炭火発の増設が相次ぎ、供給面のフアンは予想を超えて広がっているとされる。(具体的な数字は挙げられていない)

また採炭に伴う環境破壊について、現地での反対運動も活発化しつつあるという。

石炭火発の現状: 10電力の運営する石炭火発が45基、その他の事業者による石炭火発が49基、合わせて94基の事業用の大規模石炭火発が運用中。

さらに自家発電設備として石炭火力の自家発電設備を持つ事業者も相当数あるようだ。このサイトでも正確な数はつかめていないようだ。

政府の石炭火発政策: 日本のエネルギー政策は、「3E」原則を基本としている。3Eとは、安定供給(Energy Security)、経済性(Economic Efficiency)、環境適合性(Environment)である。

しかしこれは原発全盛時代の「原則」で、原発は実は環境不適合であることが明らかになった。その後は環境適合性は後回しにされたままである。

石炭火発の技術革新: たしかに最新の「超々臨界圧火力発電」(蒸気温度593℃以上、蒸気圧力24.1MPa以上)は以前の石炭火発に比べ、大気汚染物質(NOx、SOxなど)の約9割を除去できるようになっている。CO2排出もへっている。業界ではこれをもって「クリーン・コール」と呼んでいる。

しかし最新鋭の石炭火発でも、CO2排出量は天然ガスの2倍以上のレベルに留まっている。(LNG1500度の341g-CO2/kWhに対し、810)

石炭ガス化複合発電などの新技術

目下、エネルギー効率向上の切り札とされるのが「石炭ガス化複合発電」(IGCC)である。IGCCでは石炭をそのまま燃焼させるのではなく、いったんガス化させることになる。

ガス化の技術がキモであり、あとは天然ガスによる発電と同じだ。ただしこれはコスト面の課題が大きいと思う。

安定供給を至上命題とするなら(例えば石油封鎖を受けた戦時中のように)、石炭からガソリンを作るというプロジェクトも成立しうるが、いま石炭火発を成立させているのはローコストというだけだ。そんな手間をかけるなら天然ガスの確保に向かうほうがはるかに安上がりになる。


以上3つの記事を上げておく。一つにまとめれば良いのだが、今のところそこまでの気は起きない。ご容赦の程を。
もう一つ、感想にしか過ぎないが、石炭が存在する限り石炭火発の技術は生き延びるだろうと思う。原子力発電と同じ論法で「百害あって一利なし」とは断言できない。もちろん再生可能エネルギーの使用が優先するのではあるが。
仮定の話として、石油並み(9割位)の燃料効率とCO2排出量、環境汚染度が実現できれば、コストと供給の安定性の視点からはゴーサインが出る可能性もある。その分はむしろ電気の乱費をなくすことのほうが能率的かもしれない。
また、途上国が経済的な理由から石炭火発に固執せざるを得ないとするなら、せめて石炭火発の性能をよくしてやれば、それ自体は環境改善につながる。この辺は環境スワップでなんとかならないだろうか。
前門の虎(CO2)、後門の狼(コスト)という状況が続くだろうが、地球の歴史が残してくれた貴重な資源だ。なんとか活用の方法を考えたいものだと思う。