「石炭火発推進」論への素朴な疑問。

石炭火発を増設しようという動きが強まっているようだが、目下のところあまり強い反対は起きていない。もちろん賛成か反対かといえば反対なのだが、原発をどうするかに比べれば二の次にされている。

たしかに原発をなくすことが最大の課題であるから、それに比べれば許容はされるかもしれない。それはそれで判断なのだが、どうも原発もあきらめず火発も推進するというのでは、理屈が立たないのではないかという気がしてならない。

かつて原発の最大の謳い文句だったのが「クリーン・エネルギー」である。だから今も変わらず原発を推進しようとする人が同じ口から「火発推進」を唱えるのは、天にツバをするようなものではないだろうか。

もうクリーンエネルギーなんて言うことをやめるのなら、原発もやめるべきだろう。いまや他に取り柄などないのだから。

と言っているうちに、計画はどんどん進行している。もう少し詳しく勉強しなければならないようだ。

ハーバー・ビジネス・オンラインというサイトの「日本だけ石炭火力発電所を増設」の謎(2016年2月) という記事を読んでみる。

1.石炭火発推進論の時代背景

まずは時代背景から

* 15年末にCOP21(気候変動枠組条約)、通称パリ条約が締結された。温室効果ガス(二酸化炭素)の削減について国際的合意が初めて成立した。

* 二酸化炭素産出の最大の元凶は石炭火発だ。すでに会議の前から火発の閉鎖は相次いでいる。日本においてもそれは同様だった。

* このなかで政府は先進国の中で唯一石炭火力を増設しようとしている。

これが建設計画の概要だ。

火発建設計画

             作成 気候ネットワーク 

2.なぜ政府は石炭火発を推進するのか

言うまでもなく、既存の9電力会社+電力村の強い後押しによるものだ。

では電力村はなぜ石炭火発なのか。ここの説明がこの記事ではちょっと不足している。

電力の小売自由化が進むと、発電事業だけでは利益が薄くても、安い石炭火力の電気を小売事業につなげることで競争に有利になる。

のだそうだ。もう少し他の記事で当たって見る必要がある。

3.「新型」石炭火発はクリーンか

推進側は「新型の発電所は汚染物質の排出が少ない」としている。しかし決して「クリーン」な電源とは言えない。

汚染物質の排出量は旧型に比べれば少ない、しかい天然ガスなど他の燃料に比べれば2倍である。

4.「新型」石炭火発は低コストか

日本では石炭火力によって犠牲になる環境コストが省かれているので、一見安く見えてしまう。これは原発のときと同じ論法である。