反原発知事の当選の意味

これは大谷の165キロ以上の意味がある。なぜなら、勝ったのはファイターズではなく我々だからだ。

米山候補は「反原発」をうたったわけではない。しかしその勝利は柏崎原発を事実上不可能にするほどの力を持っている。

この選挙を「原発再稼働」の是非を問う県民投票にしてしまったのは、自民党だ。

途中から「ヤバイ」と見て、原発隠しに懸命となったが、そもそも再稼働に向けたロードマップの最終仕上げに位置づけた選挙だから、方向転換が効く性格のものではなかった。

そもそも自民党県連に闘う気がない。泉田知事を担いでいたのはほかならぬ自民党県連である。

その県連の幹事長を力づくで引きずり下ろして、「さあ闘え」と言っても無理がある。しかもそのやり口が「謀略」に近い世論操作であるから、とても戦う気にはなれない。

敗北の責任を問われるのは菅官房長官であろう。「電力業界などオール日本で対抗する」という「オール日本体制」は自民党、財界、それに首相官邸なのだろう。

今後菅官房長官の責任を問う形で、首相官邸の横暴に対する批判が吹き出さないとも限らない。

菅官房長官は記者会見で「地方の首長の選挙であって、政府としてコメントは差し控えたい」と語った。そうなんだ。そもそも政府は介入してはいけないんだ。

「今後の国政選挙への影響について「そこは全く考えていない。ないと思っている」と述べたが、ないわけがない。第一、行政担当の官房長官が答えるべき質問ではない。


各界からの反応が報道されている。かなりニュアンスの違いが浮き彫りになっている。

泉田追放→新知事→柏崎再稼働の策動の震源地である経団連の榊原会長は、頭に血が昇ったか、この選挙が原発選挙だったことを公然と明らかにしたうえで、不届き千万な干渉発言を言っている。

新潟県民が選択されたことだが、…原子力発電所はエネルギー政策や地域振興などいろいろな意味で意義がある。東京電力は、しっかり安全対策を行い、そのうえで県民に理解を求めることになると思う。
新しい知事は再稼働に慎重な姿勢だが、冷静な判断をしていただき、原発の安全性が確信できれば稼働の方向で進めてほしい。

ということで、論理もへったくれもないハチャメチャ戦闘継続宣言だ。「必要だ、安全だ」の掛け声ばかりが虚しく響く。後は「アメが欲しいか、ほらやるぞ」でしょ。

ただ、政府・自民党としても原子力ムラの再稼働原理主義者には今後距離を置かざるを得なくなるだろうし、経団連内の力関係にも影響がおよぶ可能性はある。

前の米倉同様、榊原も外様で成り上がりだ。日米同盟路線をゴリゴリと推し進めることで会長の座を確保しているに過ぎない。強面経団連が内外の批判を浴びるようになったとき、彼らの命脈も尽きるだろう。

今度の勝利の一番の意味は、菅官房長官が呼号した「オールニッポン」体制への国民の強烈なカウンターパンチだ。この効果は、これからしばらくのうちにさまざまなひび割れとして出てくるだろう。注目だ。


なお、民進党と連合のひび割れは今に始まったことではないし、それほどの重要性もないが、気持ちのよいものだ。

野田佳彦幹事長は周囲に「(蓮舫氏が)行くと言っても止める」と語っていた(毎日新聞

らしいが、連合から派遣されたお目付け役らしい、いかにもの風景である。