��日本のゾウ��
ナショジオのサイトにある富田幸光さんという人のインタビュー記事を読む。富田さんは国立科学博物館の研究部長。1.ゴンフォテリウムとステゴロフォドン化石が各地で出土している。「多島海」時代の1800万年から1600万年前に生存していたとされる。
ゴンフォテリウム系は約2300万年から2000万年前にアフリカで出現し、ユーラシアとアフリカが接合した後、世界に拡散している。
その後、1千万年間生物化石のない無生物時代が続く。
2.ツダンスキーゾウ(ステゴドン)
アジア大陸に広く存在し、600万年前に日本にも渡来した。ステゴドンの系統に属し、日本で独自の進化を遂げた。(日本が大陸と切り離された可能性がある)
この間に徐々に小型化していく。初期のミエゾウは肩高が4メートルなのに対し後期のアケボノゾウは2メートルに縮小し、70万年前に絶滅する。
3.ムカシマンモス
110万年前に渡来。(大陸とのルートが再開された)アケボノゾウと共存するが、70万年前に、ともに絶滅する。
4.トウヨウゾウ
60万年ぐらい前に渡来するが10万年ほどで絶滅。ミエゾウやアケボノゾウと同じステゴドン系だが、大陸でも化石が出るため、新たに渡来したものとされる。南方系のゾウで、当時は間氷期の中でも特に暖かかったために進出できたとされる。(暖かいということは海進期だということで、そのときに陸続きというのが飲み込めない)
5.ナウマンゾウ
34万年前に渡来。2万年前に絶滅。
これらの象はいずれも朝鮮半島経由とされる。
この他に樺太経由でマンモスも入ってきている。
ということで、ナウマン以前の流れが簡潔明快にまとめられていてありがたい。話が日本列島形成まで遡るのはスケール壮大だ。「えっ、そこで地学と結びついちゃうの」とびっくりする。
日本列島の形成過程を勉強したのはもう随分前の話だから、忘れてしまったが、冨田さんは大陸の横滑り説をとっているようだ。それもわずか2千万年前、そろそろ霊長類登場の頃だ。
ただし冨田さんは地学者ではない。この説の当否についてはいずれまたチェックしなければならない。
2012年09月27日 東アジア花綵列島群と、その地学的意義
2012年09月28日 日本列島、観音開き説
2012年09月28日 日本列島の形成
2012年09月29日 日本列島の地体構造 その1
2012年09月30日 日本列島の地体構造 その2
2012年09月30日 日本列島の地体構造 その3
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2012年09月30日 日本列島の地体構造 その5
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