4月1日の政府閣議で武器輸出三原則に代わる新たな「防衛装備移転三原則」が決定されたそうだ。

不勉強で知らなかった。

どこが違うか、

①紛争当事国でなく国連決議に違反しない、②日本の安全保障に資する、③移転先での適正な管理が確保される

となっている。

これを従来の武器輸出三原則と比較するとこうなる。

①共産国、②国連安保理決議で禁止されている国、③紛争当事国やその恐れのある国、への輸出を禁じる。

ということで、①共産国 がなくなった。ただこれはココムがまだ生きているから、なくてもよい。②と③がひとつになった。「移転先での適正な管理の確保」が付け加えられた。これは良いことだ。問題は3つある。

一つは「紛争当事国となる恐れのある国」への輸出禁止が外されたことだ。

もう一つは「日本の安全保障に資する」というところで、日米安保体制への貢献がそっくり承認されたことだ。

もう一つが、これが一番肝心なことだが、「禁止」という言葉が完全に脱落したことである。原則禁止から原則促進(言葉としては促進とは言っていないが)への転換である。

これは法律ではなく閣議決定であったから、これを変更するのにも閣議決定でOKだ。形式的にはなんの問題もない。

ただ「武器輸出の原則禁止」は、平和主義という日本の国是にかかわる政府方針であるから、物事はそう簡単には行かないと思う。もっと大掛かりな議論があってしかるべきだったのではないか。

「武器」というのは、即物的には人を殺すための道具である。たとえば銃の保持が認められている国であっても、それは変わらない。

たとえ銃が護身用であったとしても、それは「銃器」であり「武器」ではない。武器というのは個人の命を守るためのものではなく、国家あるいはそれに準じる集団を守るためのものである。

即物的に規定するのではなく、目的論的に規定するなら、銃器一般と武器とは明確に分けるべきである。

ウィキペディアによると、

日本は猟銃、弾薬など民間向けの小型武器をアメリカ、ベルギー、フランスに輸出しており、その規模は世界第9位となっている。輸出額の合計は2億4900万ドルになる。

これすらも、あまり認めたくない事実ではあるが、かろうじてパスはするかもしれない。目的論的には「武器」とはいえないからである。