昨日、北海道立埋蔵文化財センターというところに行ってきました。

ほとんど隠れ家的な場所で、探すのに苦労しました。その代わり環境は素晴らしく、建物の裏がそのまま野幌原生林の遊歩道になっています。入館せずにそのまま原生林の散歩に行ってしまいたい気分です。

1時間ちょっとの見学でしたが、入館者は他に一組のみ、完全な貸切状態でした。入館料はなんとただ。美麗なパンフレットもただ。テータという広報誌を10号分せしめてきました。

黒曜石の展示が大変充実していて、黒曜石については日本一じゃないかと思いました。遺物の展示の方も充実しているのですが、あくまで考古館ということで、歴史を知るためにはちょっと説明が不足しているようです。その代わり開架の図書室があってかなり多くの書籍が参照できます。

百年記念塔の方に開拓博物館、野幌よりに道立図書館があるので、はしごするつもりで行けば充実した週末が送れるでしょう。

とりあえずの感想

1.アイヌ人は縄文人だ

1万年前の旧石器人、2千年前までの縄文人、そして擦文人、アイヌ人との間に欠落や断絶はまるでない。基本的な生活スタイルはまったく同じように見える。もしアイヌ人が縄文の世界に迷い込んだとしても、そのまま「お隣さん」として暮らしていけるのはないかと思えるくらいだ。

今までいろいろ論争があったし、私も一時はアイヌ人は縄文人ではなくポスト縄文人だと思っていたこともあったが、Y染色体の研究でアイヌ人が縄文人そのものだということが分かった。発掘された展示物をずっと見ていって、それが心から納得できる。

2.縄文人は農業を知らなかった

出土品をずっと眺めてみて、ついに穀物栽培の形跡を認めることができなかった。これは相当きついことではないか。魚貝とくるみやクリ、時々鹿という食糧構成はおよそ不安定だ。これではヒグマの暮らしと大同小異だ。とくに冬場の暮らしは冬眠でもしなければ到底立ちゆかない。

アイヌの場合は、おそらく和人との交易が生活の確保に結びついていたろうと思われるし、多少の農業も行われていたのかもしれない。しかし縄文人にはそのような農耕を営む隣人はいなかった。

定住し人口が増えれば、やがて周囲の資源は枯渇する。そうしてある日、冬の寒波とシケ続きの日が続けば人々はバタバタと死んでいく。残された人は消耗を上回る勢いで繁殖に勤しんだのだろうか。