インターネットが出た時、出版業界は大きな痛手を受けたことと思う。
テレビが映画を駆逐したように、インターネットは書籍を駆逐した。
私は、今ほとんど本を読まない。眼が悪くなったのも理由の一つではあるが、最大の理由はただだからである。
コンテンツが爆発的に増えたこの10年ほどは、よほどでないかぎり本を読む必要に駆られたことはない。
それと同じように今YouTubeがCD業界を駆逐しようとしている。
いまだにCDを買い集めている人がいるが、コンテンツのほとんどがYouTubeで間に合うようになっている。
何回か書いたことがあるが、2008年から2011年にかけてYouTubeの音質は劇的に改善した。その前、光通信が一般化して動画の閲覧、ダウンロードはほとんど即時に行えるようになった。ハードの容量もテラの時代に入って、パソコンが図書館クラスの情報量を持てるようになった。最近ではクラウドにより、ただで無尽蔵の情報が所有できるようになっている。
おそらく歴史上稀有の時代であろうが、欲望をサプライが追い越してしまった時代を、我々は今生きているのである。
むかし、日曜日というのは買い物のためにあった。男が行くのは本屋かレコード屋か電気屋か、それしかなかった。あとは買った本の目次を読むための喫茶店があればよかった。
人間の社会は「買う」という行為によって成り立っている。今後、ありとあらゆるサプライを食い尽くした後、人間はさらに高度な欲望を生み出し、それは「買う」という行為をふたたび生み出すだろう。
それまでのあいだ、我々はひたすらむさぼるしかあるまい。

MP3とAACに毒された私の耳の欲するのは、YouTubeでもっと良い音質の音源であり、それをもっと忠実に再生するソフト/ハードであり、その先にはそれなりのオーディオがあるだろうと思う。いまだにCD,MD,カセット、レコードを聞いてからYouTubeを聞くと、音の抜けが悪くがっかりするほど低音質である。
とりあえず音量上げても耳の疲れないスピーカーがほしいな。場所をとらないで欲しいけど…