もう一つおまけに「南回り説」
崎谷さんの所説で気になるといった、ハプログループOが東南アジアから中国に入ったというところ。
これは2009年に言い出されたことのようで、それまではやはり北回り説が有力だったという。
言い出したのは“Human Genome Organization”というスイスの研究施設。
その後、南回り説を支持する所見がいくつか提唱されている。
Tomのスペース というブログから引用させてもらう。
1、民族学・言語学的関係および地理学的関係とよく対応している。
2、東南アジア集団ほうがゲノムの多様性が高い(経過が長い)ことと照応する。
このことから、アジア系集団の先祖はまず東南アジアに到達、そこから東アジア、北アジア、オセアニアへ拡散したと考えるのが妥当。
研究参加者の菅野純夫氏は「遺伝子の大きな流れからみると、日本人を含む東アジア集団の起源は東南アジアにあると推定される。ただし、今回の解析にはアイヌなど北方の民族が含まれていないので、反論の余地もあるだろう」と、イラッとするコメントを出している。(「その位のもんでしょう」ってな感じ)

Oグループについては、北回りに固執する意図はないが、イラッとしたついでに
1.については長江文明を南からきた人々が担ったという点では説明しやすいが、O2集団がなおも北を目指したことは説明しにくくなる。言語学的関係については、前から気になるのだが、遺跡や石器などと違い、言語比較研究には独自の“臭い”を持つ世界(人というべきか)があるので、安易な突き合わせは避けるべきだ。
2.については、ゲノムの多様性では日本は世界に冠たるものがある。多様性だけに着目すれば、「O集団は日本から出発した」というギャグが成立することになる。一般的にはゲノムの多様性は、そこが行き止まりの吹き溜まりであることを示す指標にすぎない。

「何でもかんでも北上説」についてはTomさんが詳細な反論をしており、説得力がある。スペンサー・ウェルズという人が(前の記事もふくめ)、アブラギッシュな言い過ぎ傾向があることも分かった。