さて、Y染色体に関するさまざまな記述は下記の本を下敷きにしているようだ。

『人類の足跡10万年全史』 スティーヴン・オッペンハイマー (草思社)

人類の足跡10万年全史

このオッペンハイマーというのがどういう人物か、日本語ではあまり紹介が見当たらない。ウィキペディアにも見当たらない。

しかたがないので英語のサイトを当たる。

Wikipediaの紹介

Stephen Oppenheimer (born 1947) is a British paediatrician, geneticist, and writer. He is a graduate of Green Templeton College, Oxford and an honorary fellow of the Liverpool School of Tropical Medicine. In addition to his work in medicine and tropical diseases, he has published popular works in the fields of genetics and human prehistory. This latter work has been the subject of a number of television and film projects.

ということで、もとは小児科の医者だ。結構な歳だ。

医者になってから東南アジアに行った。熱帯医学の研究もしている。Y染色体の方はどちらかと言えば余技で、マラリア遺伝子の研究をやっているうちに、アマチュア・ライターから本気になってしまったようだ。(本当にマラリアの突然変異は厄介だ)

本の原題は「出エデン」(2004)、これがアメリカでは「本当のイブ」と改題されている。売れ線狙いの題名だ。それもそのはず、これらは彼が監修したテレビ番組の題名なのだ。

要するにレビュー本であり通俗書なのだ。しかもかなり古い。多分、反論だけで一冊の本になるだろう。「オッペンハイマーはこう言っている」と振りかざすほどのものではない。だから日本語版ではさらに大げさな題名になったわけだ。

なお最初に発表した本が「東洋のエデン」(1999)、これはスンダランドについて書いたものだ。