まずはウィキペディアから「ハプログループC」の記事

UEPs M130/RPS4Y711, P184, P255, およびP260によって定義されるグループである。

と、のっけからわからない記述。

分類

C群はC1とC2に分かれる。

C1群がC1aとC1bに分かれる。

C1aはさらにC1a1とC1a2に分かれるが、C1a2はヨーロッパに僅かに見られるということなので無視して構わない。

そしてC1a1が日本固有のハプロタイプとなっている。

C1bはいくつかのタイプに分かれるが、パプア、オーストラリア先住民の多数派を形成するようだ。

C2群は中央アジア、北東アジア、北アメリカに多い。

なおC2群には別項記事があるので、あとでまた検討する。

拡散経路

崎谷満が下記の経路を推定している。

    南ルート:C1b2(パプア、オーストラリア)

    北ルート:C2(モンゴル、北米)、C1a1(日本)

    西ルート:C1a2(ヨーロッパ)


次が「ハプログループC1a1」の記事。

日本列島固有のハプログループで、誕生は約1万年ちょっと前 と推定される。日本列島で誕生したと考えられる。

ハプログループC1aとしては、アジアで唯一の存在。C1a2がヨーロッパに僅かに存在するという。

国内での分布は、青森7.7%、徳島10%、沖縄6.8%でほぼ均一だが、九州に少ない(3.8%)のが特徴。(異なる調査をまとめたものであり、有意の差かどうかは不明)

*Hammerらの研究にWiki氏が九州を付け加えたもので、正規のメタ解析ではないようだ。Hammerらの原著では、青森C1 8%-C2 0% 静岡C1 5%-C2 2% 徳島C1 10%-C2 3% 沖縄C1 4%-C2 0%で、C1の普遍性とC2の偏在性、微少性が明らかである。(頌)

*Tajimaらの研究はアイヌと九州を対象にしたもので、Wiki氏はこの九州データを持ってきたようだ。

アイヌC1 0%-C2 13% 九州C1 4%-C2 8%となっている。これから明らかなのは①C1a1は津軽海峡を渡って北進していないこと、沖縄にも南進していないこと、それは彼らが朝鮮から渡来し拡散したことを示す。②アイヌには沿海州からのC2がかなり混入したこと、にも関わらず断然正統縄文人である。(頌)

*数字は挙げないがN系人もC1a1人と同様の傾向を示している。

移動経路

次の説は、ハプログループC1の不確実性を逆に裏付けている。

(祖型の)渡来年代は1.約4万年前、2.約1万年前の2つの説があるが、前者であれば日本列島最古層、後者であれば日本に縄文文化をもたらした集団かもしれない。

日本列島で誕生したことは確実と思われるが、その祖型の移動ルートは謎に包まれている。

イラン付近からアルタイ山脈付近を経由し朝鮮半島経由で日本に到達した都の説(崎谷)がある。

ただ、むしろ大事なことは固有種となるほどに長期間孤立して日本国内に存在したということである。これは次の記事のC2aにも共通している。

ということで、これらの事実はC群がD群に先立って渡来していた可能性を示唆する。これはC群がD群と同じくらい古いハプログループであることを考えてみれば充分ある話だ。むしろこちらのほうが筋が通るかもしれない。


次が「ハプログループC2」の記事

かつてはハプログループC3と呼ばれていた。 約32,600年前に中央アジアまたはシベリアで発生した。

C1が四方八方に散らばったのに比べると、シベリア・モンゴルを中心にまとまった集団を維持し続けている。

樺太~沿海州の少数民族もC2を主体としており、D人であるアイヌとは著しく異なる。

日本人には6%ほど観察されている。C1a1とは別だが、同じく固有種C2aとなって分岐している。朝鮮半島では15%程度の存在が確認されている。

次が「ハプログループC2」の記事の元になった論文。

Overview of genetic variation in the Y chromosome of modern Japanese males   J-STAGE 2014/12/23

全国大学の共同研究である。

図表を転載する。

haplo_c

haplo_c2

横軸は意味は無い。各大学のデータを西から順に並べただけである。

D、Oについての図は省略した。

一番左が長崎、次が福岡である。九州に少ないというのはサンプリング誤差だったようだ。

著者らは、日本人はすでに“highly homogenized” されており地域差は認められなかったというが、一番右が札幌でそのとなりが金沢であるから、関東・東北は反映されていない。

それはさておき、C型の日本人は10%。C1とC3(C2)が各々5%というところだろう。

ハプログループC1a1」の記事では青森7.7%、徳島10%、沖縄6.8%だったが、C2まで読み込んだ可能性もある。

感想だが、

1.それにしても10%は決して無視しうる比率ではない。私の血液型はABだが、頻度は9%だ。だからといって無視されては困るのである。

2.もう一つはC1a1が日本固有だからといって、それがC型のすべてではないということである。C型日本人の由来の半分はモンゴル系なのだ。

3.C2からC1に移ることは絶対に有り得ない。おなじCでもC1a1とモンゴル系はまったく異なる。

4.C1a1は、中央アジアでヨーロッパ組と別れた後、まっすぐ、かなりのスピードで日本を目指したということになる。(ちょっとウソっぽい話だが)

5.全国的に均一な分布をしているとすれば、彼らは朝鮮半島経由で全国に分布し、後から北のD系人がやってきて日本列島を覆ったとも考えられる。

yahoo知恵袋を見ていたら、日本人のハプロCは南方由来だという説があった。「なるほど」と思ったが、南方のCはCib系で、日本に見つかっているのはC1aかC2なのでハズレだ。

こんな一見もっともな説がたくさんあるので、自分の学習水準を点検するためにはとても勉強になる。