バングラデシュのテロはその後の情報で、ISとかアルカイダというより、国内の従前型テロ組織の犯行であることが明らかになってきた。

この点について、本日の赤旗に『南アジア研究者』という怪しげな肩書の佐藤宏さんが解説してる。

肩書は怪しいが、内容は的確で、たしかに専門家である。72歳という年齢がベテランぶりを物語っている。佐藤さんの指摘は今回のテロが『国内産』だということに尽きる。

以下、概要を示しておく。

1.犯行はJMBによるもの

JMBの正式名称は「バングラデシュ聖戦戦士団」である。

JMBは「イスラム協会」の学生組織のメンバーが90年代末に創設したテロ組織である。08年にも同時爆破テロを行っている。

2.背景にはバングラデシュ独立以来の角逐がある

バングラデシュは西パキスタンとの独立戦争を闘った後、71年に独立を実現した。(独立というべきか、分離というべきか、定義には面倒なものがある)

独立戦争の期間、独立(分離)反対派のうち、「イスラム協会」(JI)は武装闘争に走り、同胞の虐殺も厭わなかった

3.軍部はJIを泳がせた

独立を達成した「アワミ連盟」はムジブル・ラーマン政権を樹立したが、4年後に軍事クーデターにより打倒される。

軍部は政権居座りを図り、「アワミ連盟」を弾圧した。一方で「バングラデシュ民族主義党」(BNP)を立ち上げ、JIを登用した。

4.なぜテロに訴えるのか

09年以来、アワミ連盟が政権に復帰した。宗教分離(セクラリズム)とインドとの善隣外交を進めている。

旧軍部(BNP)はインドとの緊張緩和に反対し、JIを利用して政権の転覆を企んでいる。その尖兵としてイスラム協会(JI)が用いられている。

テロはバングラの悪しき伝統となっている。

独立戦争中、JIのテロ組織は独立派、知識人、ヒンズー教徒の多くを虐殺した。今もなお各地に多くの遺体が埋められたままである。

最近、活動を強めたJMBもその伝統に従い、ヒンズー教徒、キリスト教徒、民主活動家へのテロを繰り返している。

今回のテロもその一環としてとらえるべきである。

バングラのかんたんな経過

バングラデシュ 年表

バングラデシュにおける「野合」 その結果としてのテロ