JBプレスの2011年6月の記事で、下記のものがあった。

FATCAの危険な賭け 谷口 智彦

法成立前後のもので、「うまく行きっこない」というニュアンスの、やや醒めた見方となっている。

その中に、「The Banker 5月1日号」の「FATCA法案の解説」が紹介されている。

1.FATCAの法的構造

FATCAは単体の法律として存在しているわけではなく、「雇用促進法」(the Hiring Incentives to Restore Employment Act)の一部として法制化されている(11年3月成立)

2.FATCAの内容

外国金融機関に対し米国人預金の実態を報告するようもとめる。

具体的には、米国人の口座に関わる情報を、年に1度ずつ米内国歳入庁(IRS、日本でいう国税庁)へ報告せよというもの。

もちろん法的に強制する訳にはいかないから、もし順守しなければ制裁措置を発動することになる。

制裁対象となった金融機関に対しては、ドル建て金融商品へ投資して得た所得に対し、一律30%の源泉税を課す。

(3割もピンはねされてはやっていけないから、外国金融機関は従わざるをえない。基軸通貨の強みである)

3.FATCAの適用範囲

外国金融機関の定義は広く、投資顧問会社や保険会社が含まれるのはもちろん、異業種企業がもつ金融子会社も対象となる。

4.「米国人」の定義

一番きついのは「外国系企業」だ。まず、米国でドル建て商品に投資し収益を得ている企業がすべて対象となる。

この中で10%以上の持ち株比率を持つ米国人株主がいれば報告の対象となる。しかもそれについて「具体的な説明」がもとめられる。

とにかく抜け穴がない。


後は有料だそうで読めない。まぁここまで分かればよいか。

谷口さんはうまくいかないだろうと考えており、その理由をいくつか上げている。

* 外国金融機関に膨大な実務を強いることになり、外国金融機関を米国離れへ追い込む。

* 米国内にも反対は根強く、「外国資本を遠ざける規制は経済的自殺だ」という意見もある。