恐慌の歴史を勉強していて分かったのだが、恐慌の引き金になるのが農産物価格の下落だ。
最初の恐慌はクリミア戦争の終了後に起きたそうだ。それまで兵隊に送るためにせっせと食糧を増産していて、価格も高値で推移していたが、この需要がいきなりなくなった。
このために農産物価格が暴落して、農村の購買力が低下した。
これが内需の減少につながったということだ。まあ、そればかりではないだろうが…
1929年の世界恐慌へと繋がる株価の大暴落も、農業の生産過剰がひとつの原因だという。
TPPの場合生産が過剰になるわけではないが、外国農産物が入る分、市場価格は間違いなく低下するだろう。
農村が崩壊すれば、内需は一気に縮小する。農業王国北海道の住民は仕事をもとめ、生まれた土地を離れ、流氓の旅に出ることになるだろう。
それを上回って工業製品の生産・輸出が増加すれば、日本全体としての計算上はトントンだが、いまの大企業にそれは期待できない。国外生産を増やすだけだろう。
どうやっても計算が合わないような気がする。

それが恐慌に結びつかなければよいのだが…