サンダースとニューディール政策

サンダースのルーズベルトに寄せる強い親近感については、ピケティも注目している。

朝日新聞の「ピケティコラム@ルモンド」という記事にそのことが触れられている。いずれ消える可能性がある記事なので、要点だけ紹介しておく。

1.ルーズベルトのやったこと

ルーズベルトの時代、米国は不平等の是正のため、野心的な政策を進めた。

高い累進性を兼ね備えた所得税と相続税とを生みだした。

また米国は、30年代にはすでに最低賃金を定めている。現在のドルに換算すると、その額は60年代末に時給10ドルを超えていた。

2.戦後のアメリカ

年収100万ドルを超える層に課された最高税率は、ケネディ大統領までの時代は91%だった。相続税にも70~80%の高い累進税率が課された。

ドイツやフランスで最高税率が30~40%を超えたことはほとんどない。

高い生産性と教育体制のおかげで、失業はほとんど生まれなかった。

南部でまだ合法的に続いていた人種差別に終止符を打ち、新しい社会政策を打ち出したのもこの時期だ。

3.レーガンのやったこと

この一連の政策は白人有権者のうち少数の反動的な人たちと、金融エリートの間で大きな反発を生んだ。

レーガンは、こうしたあらゆる不満の波に乗り、当時すでに神話と化していた原初の資本主義を復活させた。

86年の税制改革では最高税率を28%まで引き下げた。

クリントンやオバマも本当の意味でこの決定を見直さなかった。

格差は爆発的に拡大した。しかも経済成長は低調で、大多数の人たちの所得は停滞した。

レーガンはまた、最低賃金の水準を抑え続けた。80年代以降、最低賃金はゆっくりと、しかし確実に、インフレによって目減りした。69年は時給11ドル近かったが、2016年は7ドル程度だ。

その後の民主党政権も、レーガンのイデオロギー(レーガノミクス)を根本的に変えることはなかった。

4.ピケティの結論

現在のサンダース氏の成功から分かるのは、米国のかなりの数の人たちが、不平等の増大と見せかけの政権交代とにうんざりし、革新的な政策で平等を目指す米国の伝統 と和解しようとしているということだ。


正直のところ、ピケティの上げた数字については、別の資料での確認が必要かと考えている。

また、コラムという性格上踏み込んでいないのだが、何故そのような改革が可能だったのかという背景には踏み込んでいない。しかしそれがないと、何故アメリカ国民はやすやすとレーガノミクスを受け入れてしまったのか、ということも見えてこない。

いずれにしても、時代背景をも踏まえたニューディールの全面的な検討(ケインジアンとの交錯もふくめ)が必要だろう。

それは日本の戦後改革や日本国憲法の形成過程とも関わっているはずだ。従って、日本国民が直面する民主主義と国民生活防衛の運動とも根っこを一つにしているはずだ。

バーニー・サンダースの闘いは我々(日米両国人民)の闘いなのかもしれない。