私もへそ曲がりだから、人が誉めそやすと「ほんとかいな?」とチャチを入れたくなる。
ウルグアイの前大統領ムヒカのことだ。
知っている人は知っているだろうが、知っている人はほとんどいないだろうが、彼は元ツパマリョスだ。
都市ゲリラを気取って、散々好き勝手なことをやった連中だ。
もともとウルグアイはゲリラ闘争とはおよそ縁のない平和な国だった。予定通り行けばチリの次に「社会主義」が実現したであろう国だ。
社会党と共産党を軸とした民主連合勢力(拡大戦線)は、軍の革新派も巻き込んでいま一歩でその政府を実現するところだった。
そこに「極左」勢力が割り込んできて都市ゲリラという名のテロを繰り返した。左翼は敵の反動攻勢については実に粘り強く戦う。しかし左翼の衣をかぶったオオカミに対しては実にナイーブであった。そして極左グループの妄動の責任を取らされて、軍事独裁を許し、計り知れないほどの犠牲をこうむった。
軍事独裁がさじを投げ、民主政治が戻ってきたとき、多くの人は挑発者である極左集団も許さなかった。しかし、その一員であったムヒカは獄中何年の勲章を引っ提げて政界復帰に成功した。
その結果、拡大戦線の統一候補にまでなり、大統領候補となり、勝利した。しかし挑発者としての経歴に反省したかどうかは定かではない。
彼の大統領としてのキャリアは非の打ちどころのないものであった。無事に拡大戦線を守り次の大統領へのバトンタッチという重責も果たした。
これらの経過については何も異論をはさむ余地はない。
しかし、奥歯にものの挟まったような不快感はいまだに残っている。だから「世界一貧しい大統領」という称賛にはもろ手を挙げて賛成とはいかないのである。
経団連の土光会長は毎朝メザシを食おうとも、経団連の会長である。
(私のホームページのウルグアイ 年表をご参照ください)