しばらくサボっていたが、経済の勉強。

23日から赤旗に「経済四季報」が連載されている。

かなりポイントを抑えた簡潔なレポートなので、紹介しておく。

1回めは「世界経済」

最初にポイントがまとめられている。

①米国経済に減速の兆し: 2015年12月の利上げの後、追加利上げは見送り。
②欧州経済は回復が鈍化: 追加金融緩和したものの、マイナス金利拡大には限界。
③新興国経済には資源価格低迷が打撃。中国の景気減速と連鎖し、貿易に悪循環。

ときれいにまとめられた。あまり迫力はないが…

①米国経済

15年第4四半期のGDPは前年比1.0%だった。これは二期連続の低下。

原因は金融市場の混乱とこれに伴う消費控え、ドル高と世界の景気減退に伴う輸出の低迷が挙げられている。(“金融市場の混乱”が何を指すのかは不明)

イエレン議長は「国際的な経済・金融情勢がリスクになっている」と語った。(これももう少し詳細が知りたい)

②欧州経済

EU全体のGDPはプラス0.3%、ユーロ圏では1.1%の伸びとなった。いずれも小幅鈍化となった。

原因は主として中国と新興国の景気減速の余波とされる。(つまりEUは世界経済を規定する主要経済域ではないということだ)

ECBは3つの景気対策をとっている。その一つがマイナス金利。その他に政策金利0%、量的金融緩和が行われている。

マイナス金利というのは、市中銀行の中銀預け入れ金利のこと。昨年12月以来始められているが、3月にはマイナス0.3%から0.4%へとさらに引き下げられた。

ドラギECB総裁は「マイナス金利を続ければ、銀行システムに悪影響が及ぶ」とし、長期とはならないことを示唆。

③新興国経済

ロシアはGDPが前年比マイナス3.7%となった。歳入の半分を占める原油の価格下落が響く。ブラジルのGDPもマイナス3.8%。こちらは鉄鉱石の価格低迷が寄与している。

これらの理由により世界の総輸入額の伸びが半減した(3.0→1.7%)。この結果中国の輸出が減り、その結果中国の輸入が減るという悪循環を形成している。(世銀の分析)

とここまでが1日目の記事。

2回めは「中国経済」

ポイントは以下のとおり

①中国経済は25年ぶりの低成長期となる。生産と貿易が同時に低下。
②中国の経済減速はアジアと世界の各国に波及し打撃を与えている。
③新5カ年計画で、技術革新と調和を目指す。

ということで、ポイントといえばポイントではあるが、ちょっとづつポイントを外している感じがする。とくに米日欧の経済対策が金融政策中心に動いているため、中国の景気減速が国際金融・通貨面でどのような影響をおよぼすかが関心の的であるが、この点について触れられていない。

より本質的には「社会主義的市場経済」というシステムが、最初の「恐慌」を迎えて機能できるのかが問われるわけで、まぁ四季報レベルでは無理な相談だが、念頭には置いておかなければならないだろう。

①生産の鈍化と輸出の減少

2015年GDPは前年比6.9%増。これは25年ぶりの低い伸び。純輸出はマイナス0.2%となった。

国内投資の総量を示す総資本形成は3.4→2.5%に低下した。これは生産能力の飽和を示す。

②最終消費が景気を下支えしている

このなかで最終消費は3.7→4.6%と伸びており、これが景気を下支えしている。これが消費バブルなのか社会生活の向上に根ざすものかは判断を保留。

③過剰生産能力

生産能力の飽和を示す直接指標として生産設備の稼働率があげられる。鉄鋼・アルミなどでは60%台、鉱工業生産は5.4%で7年ぶりの低い伸びであった。

過剰生産能力の解消には大規模なリストラを必要とし、それは大量の失業者を生み出す可能性がある。

④関係国への影響

中国の経済成長が1%減速すれば、アジアの経済成長率は0.33%、アジア以外の地域は0.17%下がる(IMF試算)

とくに中国製造業が不振に陥れば、資源輸出国に深刻な打撃となる。

⑤新五カ年計画

ということで、中国の景気後退は日米欧のような経済構造上の問題に根ざしているのではなく、基本的には景気循環上のリセッションとして捉えられる、ということだ。

それがたんなるリセッションの域を越えて深刻化しているのは、リーマン・ショック時の政府の過剰対応による。リーマン・ショック時、中国政府は日本円換算で53兆円の財政出動を行い、これが生産過剰を増強した。

こういう見方であれば、中国経済の先行きにはさほど悲観する必要はないということになる。

「しかし、本当にそれだけなのであろうか? 何か根本的な脆弱性に根ざしているのではないだろうか?」という漠然とした不安は残るが…

3回めは「国内景気」

ポイントは以下のとおり

①マイナス金利導入は、異次元金融緩和の破綻を示す。
②GDPはマイナス成長。消費低迷を脱却できないことが要因。
③春闘不発。大企業を支援しても賃上げはせず。

①マイナス金利

異次元緩和で民間銀行にお金を供給。しかし市中に回らず、日銀当座預金が積増しされる。これを拒否するためのマイナス金利。しかし貸出先がなければ問題解決にはならず。これは異次元緩和の行き詰まりを示す。

②マイナス成長

第三4半期GDPは年率換算でマイナス1.1%。企業の売上高・経常利益は揃って減少。

個人消費が0.9%減で、中国とは逆に個人消費が景気の足を引っ張っている。

③マイナス収入

毎月勤労統計で、実質賃金指数は4年連続でマイナス。


この連載がいつまで続くか分からないが、問題をとりあえず整理するのには役立つが、あくまでも自己学習のための足がかりだと考えておいたほうが良さそうだ。