ミャスコフスキーという作曲家がいる。プロコフィエフと同年代、交響曲をなんと27曲も作曲したという実にロシア的な作曲家である。
スターリン時代を代表する作曲家で、いかにもそれっぽい曲もあるが、「おやっ」と思わせる佳曲もある。御用作曲家ではあるが、ジダーノフ批判の対象にもなったことがある。まぁ、そういう辺に位置する人である。
この人を紹介した記事に面白いものがあった。
19世紀末にミャスコフスキーはペテルブルク音楽院に入学している。プロコフィエフとは同期のようだ。当時の指導教官がリャードフ、これがミャスコフスキーには気に入らなかったらしい。ぐーたら教官と刻苦勉励型の生徒では馬が合わないのは当然だろう。しかしプロコフィエフはぶーたらをいいながらもリャードフの管弦楽法をしっかりと吸収している。
そしてプロコフィエフと反リャードフで意気投合したのだそうだ。それ以来二人は無二の親友になったという。かなりあいまいな記憶で書いているのだが、当時のペテルブルクの雰囲気がうかがわれて、楽しいエピソードではある。
ミャスコフスキーの交響曲のかなりがYoutubeにアップロードされている。しかしほとんど聞いていない。せめて10曲くらいにしておいてほしかった。ほんのちょっと聞いた範囲でのお勧め曲を挙げておく。
弦楽四重奏曲 第7番 「コーカサスの主題による」 タネーエフ四重奏団
ピアノソナタ 第7番 演奏者不明(Hegedus という人の演奏がNaxos から出ているので、それかもしれない)
とにかく、屈託なく、さらさらと音が流れていくのがよい。