染色体屋さんの出遅れ

混乱の最大の原因は、染色体屋さんの出遅れにあると思う。

DNA・ゲノム研究が進めば進むほど、旧態依然たる染色体研究との格差が広がっていくように見える。

DNA・ゲノム屋さんは染色体のことなど馬鹿にして、一言も言わない。染色体屋さんはゲノムは自分の縄張りだと主張するが、説得力はますます失われつつある。

DNA・ゲノム屋さんが染色体屋さんに聞きたいことは、いったいなぜDNAは染色体に分かれるのだろうと言うことだ。さらに言うと、46都道府県に分かれるのはなぜかと言うことだ。道州制ではどうしてだめなのか。

もうひとつ、DNAが染色体と言う形で区分され、ひとつの自治体を形成するには、それなりの利害得失があり、その枠組みにはそれなりの大義名分があるはずだが、それは何なのか。

つぎに、分裂期とそうでないときに顕微鏡的には明らかに形態が違うが、それは染色体のありようの違いを示しているはずだ。それは何なのか。

後はちょっと副次的になってしまうが、染色体はペアーになってはいるが、良く見ればかなり違う。形態でなく、その働きから見てどこが同じで、どこが違うのか。塩基配列上はどうなのか。発生的に見て同じものがだんだん変わってきたのか、それともペアリングした後だんだん似てきたものなのか。

これらの疑問に染色体屋さんはほとんど答えてくれないし、そもそも疑問さえ持っていないのではないかとさえ思ってしまう。

これではいつまでたっても、「染色体屋さんは学生を悩ますために存在し続ける」ことになりかねない。あの高校生の悩みは解決してくれないだろう。