FOSTEXをいじっていて思ったのが、どのレベルでオーディオプロセッシングをするかということだ。デジタル信号をあつかう場所はひとつでよい。 いまは先発のパソコンソフトに遠慮しているのか、いったんいじったものをもう1回プロセッシングするという形になっているが、それなら何にもしないで送っ てくれということになるだろう。

現にFOSTEXにSDを差した場合は、まったく素の情報を扱っているのだからまったく問題ない。パソコンから情報を受ける場合、欲しいのはASIOかWASAPI、つまりパソコン由来の雑音を拾わないということだけだ。

ところが、である。私にはASIOやWASAPIそのものが音をいじっているように思えてならない。もしそうなら、ファイルにふくまれる情報は再生ソフトでいじられ、ASIOやWASAPIでいじられ、USBからDACに来てまたいじられるということになる。

そうなると、「原音忠実再生」というのは一体何なんだということだ。

この辺のコンセプトがはっきりしないと、何か騙されたような気分だ。結局、原音にお化粧を施しているだけではないか。それがAさんのお化粧にBさんが手直しをして、さらにCさんがいじると、三人の価値観や美意識が違うと大変なことになりそうな気がする。

かくしてアナログ化された音源をさらにプリアンプ、メインアンプでいじる。それはかなり気持ちの悪い世界だろう。


フリーソフトでAudacityという“音いじり”ソフトがある。Youtubeのかなりひどい音源はそれで化粧して聞いている。ポップス系なら結構素人でも改善できる。

結局、再生ソフトなどはそれを瞬時にやることによって音質を改善するのではないか。

であれば、そのプロセッシングを時間をかけてやってもらって、出来上がったものを聞かせてもらうほうがリーゾナブルだと思う。その際はまったく余分なプロセッシングをしない再生ソフトで聞くことになる。できればそのプロセッシングのプログラムを独立したソフトにしてほしいものだ。