ソニーのHDDオーディオプレーヤー とても手が出ないが

パソコンのほうはあきらめて、オーディオの売り場に向かった。

思わず釘付けになったのが、ソニーのHDDオーディオプレーヤー。HAP-Z1ESという。

希望小売価格21万円! 飲んだ勢いならともかく、とてもシラフで手が出る価格ではない。

とにかくチラシはただだから持ち帰る。

そそられるところはたくさんある。しかしいろいろ考えているうちに、そのコンセプトに疑問がわき始めた。

1.DSD,ハイレゾ対応。これは当たり前だ。「DSDはソニーが開発した技術だから優位だ。当然(?)、ハイレゾPCMも悪いわけがない」てなことを謳っている。

2.PCを介在しないから高速。ただしパソコンだからといって低速でいらいらした覚えはない。そこで持ち出したのが高性能“吸い取り”ソフト。これを使うとパソコン内の音楽データを片っ端から吸い取ってくれるらしい。なんとなつかしのMDファイルも拾ってくれるそうだ。

振り返れば、MDとパソコンの連結をかたくなに拒否したのがソニーの没落の元。あれだけたくさんいたMDフアンを自ら蹴散らかした。

しかし今さらだろう。私もMD音源を取り込みたいばかりに、何とか言う再生機を買ったが、結局タグ付けが面倒なままに挫折した。

今回も一番問題となるのが取り込んだファイルの整理、タグ付け機能であろう。それをパソコンにゆだね続けるのであれば、ただの再生機でしかない。それにしては20万円は高すぎる。

と、ここまでは20万円の追加投資のメリットはほとんどゼロ。


結局コンセプトが煮詰まっていないのである。

致命的欠陥を上げておこう。

1.20万円もする高級再生装置の筐体内にハードディスクという回り物と冷却装置(おそらくは空冷)という雑音・振動発生装置を突っ込む愚策。たんなる記憶媒体であれば文句なしSSDでしょう。
私の貧弱なパソコンでも、再生ソフトをメモリー(仮想RAM)において、SDに音源ファイルを置けば、音質はそれだけで間違いなく向上する。

2.利用者の手持ちの再生装置(プリ・メイン・アンプ)を無駄にする愚策。再生装置であることを売りにするなら、再生装置らしく身辺を整えて買い替え需要に期待すべきだろう。

3.高級DACであることを売りにするのなら、アナログ部分は切り離すべきだろう。DACとしての高性能(なにせソニーですから)に期待する顧客は少なくないだろうと思う。

4.たしかに既存DACの欠陥はディスプレイの貧弱さにある。カラー写真まで映る“大型”画面は魅力である。しかし、それなら、どうして、せめて10インチくらいの画面にしてくれないのか。
聞く側としてはもっと詳細なタグ情報(英語と日本語で)を見たいし、ファイルのツリー構造も見たいのだ。富裕層狙いなのか、いかにもあざとく中途半端である。

5.1テラといえばFLACファイルで、CD数千枚になる。ただ突っ込んだだけではごみ屋敷同然だ。整理・整頓能力があっての貯蔵容量だ。
整理・整頓能力とはリネーム、削除などのファイル操作、フォルダーの作成・統合・分離などのフォルダー操作、タグ情報の取得、フォルダー間の移動などである。
しかしこの問題に関してはまったく無関心である。