日本アレンスキー協会という団体がある。
名前からしてきわめてコアーな団体だ。
ロシアの作曲家アレンスキーを愛好する人々の集まりだ。
アレンスキーという名前を知ってるだけでもかなりの好きものだが、なんとその会の本部が札幌にあって、半年に1回くらい例会を開いている。
私はこんな団体が札幌にあるなど知らなかった。灯台下暗しである。
その例会の場所がまたコアーで、“りんゆう会”といい会社の小さなビルに間借りしている。社長さんが“文化好き”らしく、ビルの中に小さなホールを作ってしまったらしい。
2,30年前まではこういう話はけっこうあったのだが、昨今の経済情勢のもとでは、さすがの太っ腹の社長さんでも、そのような余裕はなくなってしまった。
このホールというのが便利そうで不便なところにある。札幌駅から歩くと2,30分のところにあるのだが、何も交通手段はないからひたすら歩くしかない。決してわかりやすいところではなく、周りは「えっ、なんで?」というくらい倉庫や民家や虫食い駐車場が立ち並ぶ辺である。
ところで、そのアレンスキー協会がキタラでコンサートをやるというので物は試しと出かけてみた。あいにくの大雪でタクシーも捕まらない。道路は延々渋滞の列、とても間に合いそうにないと思ったら、途中から急に道幅が広くなって、スピードも上がる。どうやら7時の開演には間に合った。例年、雪祭り近くなると中心街は大規模な排雪が入る。雪まつりさまさまだ。
寝るかと思ったが、どうやら最後まで寝ないで聴き通した。
いろいろな演奏家が立ち代わりで演奏するが、中に一人だけびっくりするくらい上手い人がいて、びっくりした。同じピアノだが、鳴る音が違う。なんでもショパンコンクールで入賞した人らしい。一人でコンサートをやっても稼げる人なのに、なぜわざわざ東京から来てたった2曲で済ませたのか分からないが、大方誰かに無理やり頼まれたのだろう。
さすがに練習不足で、譜面を見ながらの演奏。ミスタッチも多かったが、やはり図抜けていた。2台のピアノの曲では、音色がまったく違っていて、相方が可哀想なくらいだった。

わざわざ一項起こすほどのものでもないので、付記しておく。

ショパンコンクール入賞のピアニストは宮谷理香さんという方でした。

宮谷さんとアレンスキーのドゥオ組曲4番を演奏したのは川染さんという方で、日本アレンスキー協会の会長さんでした。

アレンスキーの評伝を書いた人は高橋健一郎さんという方で、この方は当日、朗読者(アレンスキー・メロデクラメーション作品68)として出演されていた方でした。おみそれしました。

ロシア語が堪能な方で、評伝も直接原語にあたりながら書かれたもののようです。

当日のプログラムですが、作曲者で言うとアレンスキーの他リャドフ、グラズノフ、イッポリトフ・イワノフ、リャプノフ、カリンニコフ、グレチャニノフ、ソコロフ、カトワールの作品が上演されています。

すこしYoutubeで作品を探してみます。