クレンペラーBPOのブル7(1958 ルツェルン ライブ)
というのがあって、結局最後まで聞いてしまった。
音はひどい。聞くに堪えない。
しかしクレンペラーの棒に絡みつくようなBPOの演奏があまりに素晴らしい。普通のオケなら指揮者の要求する以上の音は出さないだろうが、このオケはそれ以上の音を出す。
クレンペラーといえば淫行騒ぎで新聞を賑わすムッツリスケベの校長先生のイメージ。BPOがそのクレンペラーをからかっているのだろうか。
前にも書いたが、マゼールの振ったメンデルスゾーンの「イタリア」と同じ雰囲気だ。オケが遊んでいる。
とにかくこの頃のBPOときたら、ジーナ・ロロブリジータかミレーユ・ドモンジョばりのグラマーだ。それで小技もケレンもたっぷりだ。下品になる前の木暮実千代か京マチ子、新しいところで草笛光子の趣。
まぁしかし、それにしても、この録音はひどい。
演奏する方も一期一会だろうが、聞く方も一期一会で、二度と聞きたいとは思わない。
でも一度は、歌舞伎町のボッタクリで美人局にあったつもりで聞いてみてください。