復員・引揚という形でわずか2,3年のうちに600万(国内人口の10%)の人口増加をきたした。更にそれに並行する形でベビーブームが起きた。

これらの人口増加が戦後の経済発展にどのように影響しているのだろうか。

少しネットで調べてみたが、あまりこの手の文章はない。

むしろ戦後の経済発展を説明する文章が、なぜかしらこの問題と避けているような様子さえ伺える。

これはいったいどうしたことだろう。

思い出してみると、確か小学生の頃は「日本は狭い国土に過密な人口を抱えている。資源もほとんどない。だから貧しいのであって、ここから抜け出すには外国との貿易を盛んに行い、各人が刻苦勉励して稼ぐしかないのだ」と教えられたような気がする。

そしてアルゼンチンの大草原の写真を見せられて、「穀物が無制限に実り、牛がどんどん育つ、毎日草履みたいなステーキを食っている、こういう国こそ豊かな国というのだ」と言われて、なにか納得した記憶がある。人口の多いのは豊かさの印ではなく貧しさの印なのだ。

肉屋に買い物に行かされて、豚肉を100グラム40円位(今の金銭感覚だと800円位?)で買った。それをカレーに入れて一家6人で食べるのだ。いま考えると、それはまさに貧しさの印だ。

話がそれた。

つまりこの頃は人口が多いということは決してポジティブには受け止められていなかった。戦後の経済発展の要因として豊富な人口資源が上げられないのは、この頃の教育の後遺症かもしれない。


ということで、記事の見出しは「引揚者は戦後の発展にどのように貢献したか」としたが、その答えは「目下不明、仔細検討中」ということになる。あしからず。