下の図は、前項記事につけられたものである。

「ベネズエラ革命が何を残したのか」を、何よりも雄弁に物語ってている。

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テレビ番組ではないが、まさに「劇的変換! ビフォア・アンド・アフター」である。

ちょっと見にくいので説明しておく。

左の灰色がチャベス革命の前、右のえんじ色が革命後である。

一番上が平均年間インフレ率である。前が48%、後が27%でその差は歴然である。ただしこれにはイロイロ事情があって、単純には比べられない。

2番めが失業率。これも11%から6%に劇的に低下している。ただこれも景気が劇的によくあったわけではないので、失対事業などでふくらませている可能性はある。

3番めは貧困率。これも失業率とほぼ平行している。

4番めは社会支出(Social Spending)で、11%から19%に著増している。

下から2番めは年金受給者数(Pension Recipients)。39万人から258万人へと6倍強に増えている。といっても、革命前には軍人か役人くらいしかもらっていなかったということだろう。

一番下は大学へのアクセスということだが、どういう数字なのかわからない。まぁ大幅に増えていることは間違いない。

以上のごとく革命前後の差は歴然としている。「バラマキ」と言われようと、これだけの数字(マクロ)を示されれば、左翼政府の功績は否定しがたい。

しかし、それは、「それなのに、なぜ負けたのか」という答えにはまったくなっていない。

おそらくいちばん安易だが説得力のある説明は、バラマキでつなぎ留めてきた支持が、逆オイルショックで不可能になった、ということになるのではないか。

とくに厳しい輸入制限で、「金はあるのに、物が買えない」という閉塞感は相当不利に働いたと思う。

財政問題では、とくに非常識なガソリン補助金制度が、財政の底に穴を開けてしまった。ただこれは経済攻撃の手段として意図的に利用された可能性もある(断定はできないが)。

この問題については下記を参照されたい。

原油安問題については下記を参照されたい