ついで、佐藤勝彦先生ご本人による分かりやすい説明。

これはこだわりアカデミーのホームページのもの。ただし2000年9月に掲載されたものだから相当古い。

ビッグバン理論は、初期の宇宙は超高温、超高密度の火の玉で、その火の玉が膨張して、今の宇宙ができたという理論です。

65年に、火の玉の余熱を電波という形で確認したことにより、ビッグバン理論が証明され認知されるようになった。

しかし火の玉がどうやってできたのかが謎として浮かび上がった。それを説明したのがインフレーション理論なのです。

インフレーションというのは、宇宙創成の直後の宇宙の異常膨張のことをいいます。

インフレーションの前に直径10のマイナス34乗cmの粒子が、直後には1センチに膨らんだ。

最初の宇宙は無から生れたと考えられています。物理学的には「ゆらぎ」のある状態のことをいいます。いい換えれば、無と有の間をゆらいでいる状態ということです。

その状態から「トンネル効果」で、突然パッと宇宙が生れた。

その「最初の宇宙」から火の玉になるまでの急膨張が、インフレーションなのです。

生れたての宇宙は、真空のエネルギーを持っており、このエネルギーは急膨張する性質があります。

急激に宇宙が大きくなるということは、それだけ密度が低く なり、温度が急冷することになります。いわゆる過冷却と同じ状態に陥ります。 その間、膨大なエネルギーが潜熱として蓄えられます。

水でしたら凍る時にその潜熱が吐き出されるわけですが、インフレーションでは真空の相転移によって莫大な熱エネルギーが解放され、ごくわずかだった宇宙が直径1cm以上もの火の玉宇宙になったのです。

この一節はさすがに難しい。何か循環論理のような、騙されたような気分。あとで復習。

宇宙の膨張とともに素粒子ができ、それが陽子や中性子に、さらに原子へと、物質生成が進んでいきました。

それが、しかるべきところに落ち着き、宇宙の見通しが良くなりました。「宇宙の晴れ上がり」といいます。だいたい宇宙創成後、30万年頃のことです。

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インフレーション理論は、単に理論だけで終ることなく、観測により実証されるようになった。

92年、NASAの探査衛星が宇宙背景放射を調べ、その電波にごくわずかなムラがあることを発見したのです。

インフレーション理論では、銀河や銀河団が誕生するには、宇宙の初期にその種となるような温度のムラが必要である。

ムラが証明されたということは、銀河や銀河団の誕生の種の存在を確認したということになる。

今後期待するのは重力波の観測です。

重力波というのは、巨大な星が爆発を起こした時などに周囲の空間がゆがみ、それが波となって宇宙を伝わってくるものです。

非常に透過率が良く、宇宙の晴れ上がり前の状態も観測できるのです。

日本の国立天文台でTAMA(タマ)という装置が、またアメリカでもLIGO(ライゴ)という装置ができつつあります。

より遠くの重力波を観測することで、インフレーションの瞬間、また宇宙開闢(かいびゃく)の瞬間さえも見ることができるようになるのです。