藤井裕久さんが、消費税引き上げについてどう言っているかなと思って探したが、ネットには見当たらない。

代わりに、オフィシャルサイトで下記の記事を見つけた。これがなかなか面白い。少し抜粋して紹介する。


『中央公論』2009年3月 掲載

特集●空気の研究

“自己中”でバラバラだが瞬時に引火する史上稀な危うさ

座談会

加藤紘一 自民党・衆議院議員

藤井裕久 民主党・衆議院議員

岩見隆夫 政治評論家


藤井  戦時中を知っているわたしなどは、「空気」といわれて真っ先に思うのは戦争ですよ。絶対圧政的な権威によって、「日本人はひとつにならなければならない」という「空気」は確かに存在しました。そして、偏狭なナショナリズムが生まれ、結果、日本は敗戦に追い込まれた。二度とあってはならない空気だったと思います。

加藤 昭和12 年に日中戦争が始まるわけですが、当時、関東軍の参謀たちは、「ここでさらなる戦線拡大方針を打ち出すべきか」「慎重路線をとるべきか」と議論しました。その議論の中で一人が、「そんな議論をしていてもしかたがない。東京の空気はもう拡大の方向に向かっている」といった趣旨の発言をして拡大の道を歩むことになるんです。

加藤  …(小泉首相は)見事に空気をつかむのがうまくて、そして作ってもいった。国民は催眠術にかかったように熱狂して。でも、就任していた5 年半を今振り返ればあの時、なぜ、郵便局をいじると日本が直る――なんて、国民は思ったのでしょうか。 それが、日本の空気の怖さです。

加藤  空気は使いようでは恐ろしい事態を引き起こします。先ほど申し上げた戦争が最悪のケースです。…一方で、現代の空気というものは、当時の空気よりも危なっかしい揮発性で引火性の空気のように思うんですよ。ちょっとマッチを擦ると、ボカーンと爆発するような。

こんなふうにバラバラになったとき、それでも自分でモノゴトを決められる人というのは、ほんの一握りなのではないでしょうか。大抵は、根無し草のような有り様に不安になって、何かにすがりたくなる。で、あるとき何かがあると、あっという間に熱狂し、さーっとそちらに流れていってしまう危うさを感じています。

ということで、ほとんどが加藤さんの言葉の引用になってしまった。