地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進

というレポートがあって、そこに下記のごとく記述されている。

2003年の文科省へのレポートらしい。

日本列島及びその周辺域の地震活動の根本的原因は,列島とその周辺を構成するプレートの相互作用に起因する応力である。日本の東側からは太平洋プレートが,南側からはフィリピン海プレートが日本列島下に沈み込み,プレート境界に歪が蓄積され,臨界状態を経て破壊に至り,いわゆるプレート境界大地震が発生する。

これまで,東北日本は北米プレートに属し,西南日本はユーラシアプレートに属すると考えられていたが,近年,それぞれオホーツクプレートとアムールプレートに属することが提案されている。

また,東北日本と西南日本の境界は日本海東縁部及び内陸の糸魚川-静岡構造線と考えられているが,境界の正確な位置やその周辺のプレートの変形様式を明らかにすることは,日本列島の内陸地震の発生予測にとって重要な課題である。

これらのプレートの存在の有無,境界の位置及びその相対運動速度を精密に決定することは,日本列島及びその周辺に発生する大地震の繰り返し間隔の推定や発生予測にとって基本的に重要である。

ということで、東大地震研の見解が盛り込まれている。

それは良いのだが、次のような疑問がわく。

1.オホーツク・プレートという“亜プレート”が、発生的に北アメリカプレートに属するものなのかユーラシア・プレートに属するものなのかが不分明である。

2.もう一つは、どちらがもう一方に対して“潜り込んでいるのか”が分からない。

3.以前、日本列島の成り立ちの勉強をした時に、糸魚川-静岡構造線一本で考えるのはおかしくて、これを西の端とし、阿賀野川からいわきに抜ける構造線を東の端とする大地溝帯が存在すると書かれていたのを思い出す。

主に地質学者の提起だったと思うが、これと糸魚川-静岡構造線一本論は矛盾しているがどうなのか。

4.北アメリカプレート論を提起した76年の原著では、北アメリカとユーラシアの二つのプレートは潜り込み関係ではなく、“結合”過程にあると示唆している。したがってそこで働く力は基本的には水平方向のズレ応力であるとされている。(読解力不足のためあいまいだが)

これも地溝帯セオリーとは矛盾する。

5.日本列島はフィリピン・プレートの沈み込みによって“開裂”したという説もある。

百家争鳴なのは良いが、少し議論をコーディネートする人がいてくれると、素人には助かる。