しかしこれでは癪に障る。もう少し他の文章も読んでみようとグーグルしたら、出てきたのがこれ。

ダイヤモンド社のサイトの福岡伸一教授が語る「エピジェネティクス入門」というインタビュー形式のお話。

第1回「エピジェネティクスとは何か? 多額の研究費をかけた実験の失敗が教えてくれた生命の謎」という、ちょっとキワモノっぽい題名だ。

前の文章で書いたのとだぶるところは省略してノートしておく。

申し訳ないが福岡さんの言葉も自分流に改変している。あくまでも自分が納得するための読書なので、ご容赦いただきたい。


エピジェネティクスは、従来考えられていた遺伝学の外側で働いている仕組みを研究するものです。
 

つまり遺伝子を研究する学ではないが、遺伝の仕組みを研究する学問ということでは、遺伝学の一分野ということになる。それは遺伝学=遺伝子学という従来の枠組みに対する挑戦であり、それに対する批判をふくんでいる


これまでの遺伝学は、遺伝子の上に起こった突然変異だけが生物を変える唯一の力だと説明してきました。

エピジェネティクスは、そのような従来の遺伝学を否定しているわけではありません。それを前提とした上で、もう一つの仕組みを考えます。

遺伝子A、B、Cがどういうふうに働くのかを決める仕組みがあるのではないか、そしてその仕組も遺伝するのではないかと考えるのです。

ここで福岡さんが言っているのはザ・ピーナッツ話の関連であろう。しかし科学がそれを実証するのはだいぶ先のことだと思う。変に騒ぐのは「優生学」の復活につながる危険もあるから慎重であるべきだ。
目下の差し迫った課題は幹細胞が体細胞に分化していく際に、遺伝子が部位別に異なった発現をすることの説明であろう。


遺伝子が働く=遺伝子のスイッチがオンになるというのは、DNAがRNAというものに変換されて、RNAがタンパク質に変換されることを言います。

RNAはDNAの全部をコピーするのではなく一部をコピーします。RNAがDNAのどの部分をどのくらいコピーするかは、必ずしもDNAが決めているわけではないようです。さらにそのタイミング、順番もDNAによって運命づけられているわけではありません。

それにもかかわらず、実際には運命づけられている。だから多能性細胞が増殖してそれぞれの体細胞にまで変化していくのだ。
それを運命づけているDNA以外の何者かがいることになる。面白いのはDNAと違って、「お前は何になれ」と命令するのではなく、多能性細胞の中で誰かが心筋になって誰かが脳神経になって、誰かが皮膚になれ骨になれと命令することだ。命令の仕方が違うようだ。


生物は遺伝子だけを受け継いでいるのではなくて、その遺伝子がどういうふうに働いていくかということも受け継いでいるのです。
 

福岡さんは「動的平衡」という言葉を使っているが、よく分からないところもある。
ただ、大事なことは遺伝というのが形質を「引き継ぐ」あるいは「受け継ぐ」というプロセスなんだということ、遺伝子・DNAはそのためのモーメントであり、ツールのひとつなのだということであろう。

考え方を整理する上では、非常に参考になる文章だ。

逆に、具体的に内容を知るという上では余り参考にはならない。「DNAのメチル化」も「ヒストンの化学的修飾」も出てこない。

これでは終わりそうにない。