雇用状況を調べるためにグーグルしていたら、面白い記事にぶつかった。

BLOGOS というサイトで 竹中正治 さんの記事(2014年02月06日

竹中さんは 1979 年東京大学経済学部卒、同年東京銀行入行。現在は龍谷大学経済学部教授(米国経済論、国際金融論)という華々しい経歴の持ち主だ。

「非正規雇用は増えたけど、正規雇用は減っていない」

というもの。

論点は

1.日本の正規雇用者数(正規職員・従業員)は数でも比率でも1990年以降安定していて、決して減少していない

2.非正規雇用者増加の源泉は、自営業者と家族従業員の減少分である。

3.雇用者数における非正規比率の上昇は90年代から2000年代初頭の時期に主に起こっており、2000年代後半からは横ばいになっている。

以下に根拠となるデータを示す。

1392897785

「厚生労働省データで私が作成したものです(単位:万人)」と記されている。

ご苦労様でした。良いデータが出来ました。

竹中さんはこのグラフから上の3つの結論を導き出している。

一つはあたっている。この傾向が長期的で構造的なものだということだ。資本主義の高度化が進むなかで、個人営業や家内労働が減っているということだ。しかもそれが正規労働者化に結びつかず、非正規労働者となって社会の底辺に沈殿していかざるをえないというトレンドだ。

これはできればカラムの順序を変えて、黄色の上に赤色が来るようにすればよかったかもしれない。

当たっていない点は二つある。

一つは、非正規の増加と正規労働者の減少が98年を期に一気に進行したことだ。そして00年代の前半は比較的に安定して推移したことだ。

これは経済の動向を反映している。97年不況と大規模なリストラ、日米構造協議を受けた労働力流動化政策などで説明できる。

2002年以降は長期の好況局面が続いた。むしろこの間に正規比率の改善が進まなかったことが問題であろう。

もう一つは、リーマン・ショック後の201年以降にふたたび正規労働者の減少が加速していることだ。

この内容については、団塊世代の定年退職と再雇用という事情があり、少し詳しい分析が必要であろう。

この二つの特徴を読み取らないと、せっかくグラフを作った努力が無駄になる。

そしてもうひとつ追加しておきたいのが、他ならぬ2013年における空前の労働市場の変化だ。私の目下の問題意識だ。

この文章をアップロードした直後に厚労省統計が発表されているから、竹中さんも内心「しまった!」と思っているかもしれない。