WSJの報道で、注目すべきものがあった(本日付赤旗が紹介)。

サウジアラビアがシリアの反体制派に対し、航空機を撃墜できる携帯型の地対空うミサイルをふくむ高性能兵器を供給することで、サウジや米国、反体制派側が合意した。

米国はSAMがイスラム過激派の手に落ち、米航空機へのテロに使われるのを警戒し、供与に反対してきました。

ジュネーヴ協議が不調なのを受け、容認したもの。


私は以前、北部戦線で反政府勢力がSAMで政府軍機を次々に撃墜し始めたとき、「これで勝負あったな」と思った。

2012.12.6 シリア: 戦況は反政府側優位に

地上軍だけなら政府軍は怖くない。歩兵がビビっていたら、戦車単独では勝てない。長距離砲だって歩兵に守ってもらえなければゲリラの夜襲の餌食だ。

緒戦の圧倒的優位にもかかわらず、反政府軍がその後劣勢に向かったのは、ひたすら航空機に対する防衛ができなかったからだ。

あの時のSAMはきっとトルコ軍やエジプト軍の横流しだったのだろうと思うが、その金を払ったのはサウジやカタールの金持ちだったのだろう。

それがある時期を境にぷっつりと止まってしまった。おそらく米国の圧力だったのだろう。

アメリカは反アサド派の武力闘争を支持していたはずだが、テロリストに武器が渡らない保障がとれなかった。

今回アルカイダが勢いを増してきて、このままでは反政府派が消えてしまう事態となったとき、ようやく重い腰を上げた。

反政府派に因果を含めて、アサド退陣要求を降ろさせた。そして一定の和らぎを背景に反政府派の勢力回復を狙った。

しかしアサド側はこれを反政府派の敗北宣言と見て、さらに高飛車な態度に出てきた。

アメリカにしてみれば、結局イスラエル情報部の情報操作に踊らされただけのことになる。

いまこそ、アメリカはみずからのスタンスを持たなくてはいけない。反政府側に必要な武器を供与し、軍事バランスを変えなくてはならない。
アルカイダやテロリストの心配はその後の話だ。そもそも反政府勢力とアルカイダとの関係については、すでに誰の目にも明白になっているではないか。

ただ、今回の事態で良かったのは、ネオコン=ユダヤ・ロビーのなすがままの中東政策が完全に破産したということである。米国が今後、独自の主体性を持って、もう少しマシな中東政策を展開することに期待したい。