アナーキーになりついでに

この中央アフリカという国の歴史で、もっとも魅力的な人物はなんといってもボカサであろう。

こういう国では、「民主的」にやってもいいことはひとつもない。

唯一まともな組織は軍隊だけだ。軍は組織で動く。軍には目標がある。何よりも国家の中で唯一国家意識を持った組織だ。

ところが選挙をやると必ず負ける。そして勝ち上がってくるのは部族の代表だったりギャングのボスだったりする。だからこういう国で「民主主義」というのは汚職と腐敗の代名詞だ。

こういう連中が国の金庫を空っぽにするだけならまだ我慢できるが、外国とツルンで莫大な借金を残してドロンする。こうなると国中無茶苦茶だ。何よりも兵隊に給料が払えなくなるから、軍人は我慢ならずクーデターを起こす。

ところが軍人が登場して綱紀を粛清し、国の再建計画を作っても先立つモノがない。軍人はたいていナショナリストだから、多国籍企業にはとんと旨味がない。だから先進国は金を貸さない。

しかたがないから指導者は膝を屈し、「民主主義」を導入して、自らが「腐敗政治家」になったふりをして資金を仰ぐ。

ところが投入された資金は国庫には入らず、多国籍企業の儲けを増やすような事業にばかり投入されるから、貧富の差はますます広がり国民の不満は益々高まる。

ならば企業の国有化を、と画策した途端にCIAや外国情報機関に足をすくわれ、哀れ再クーデターで一巻の終わりという筋書きだ。

もう少し利口な指導者は、黙って多国籍企業のおこぼれに預かり、いのちを永らえる。トップがそうやって変節すれば、下は遠慮なくむさぼるようになる。そしてもっと露骨に権益を金儲けの手段に使おうとする民間政治家を好ましく思うようになる。

そして話はふりだしに戻る、というぐあいだ。

こういう話がいつまで続くか、いつになったら続けられなくなるのか、大変難しい話だ。