中央アフリカ年表を作成しての感想。

中央アフリカの内戦は「新型の戦争」である。難民が反乱を起こしそれが内戦となり、難民軍が勝ってしまったのである。

マリの戦闘は違う。ベルベル人はみずからの故地を守り、生活を守るために戦った。これが内戦の基本構図だ。ただしベルベル人はカダフィの傭兵として闘い、大量の武器を持ち帰った。だから戦闘が複雑になった。これにアルカイダが乗っかってきたから話が複雑になった。

中央アフリカの場合はそれとはまったく異なる。北部から流入した難民が野盗化し、それが反政府勢力に束ねられて政府に立ち向かう構図だ。

しかも難民軍が勝ってしまった。彼らは頭に据えた国内反政府派の指導者たちの首も切ってしまった。そして頭を持たない下半身だけの化け物となって、国中を荒らしまわっている。

これは21世紀が生み出したバケモノだ。




しばらく前に、マラウィの年表を作成したが、2012年までの感想はほとんど同じだ。
ただ、2012年からは突然マリの年表になる。サヘルの問題が前面に出てくる。砂漠の民の襲 来だ。それにムスリム原理派の影がちらつく。

サヘル問題はイナゴの襲来と同じだ。順番に押されて南下してくる。砂漠化の拡大に押されて 遊牧民が南下してくる。彼らの羊は草原を食いつくす。そして彼らは疾風のごとく襲い来たって 、農耕地の定住農民を襲い殺しつくし奪いつくす。
逃れた農民は南下するが、そこにはすでに農民がいて難民を受け入れる余地はない。食うに 困った難民たちはやがて野盗化し凶暴化する。
そこに片手にコーラン、片手にカラシニコフを 抱えた指導者がやってきて、反乱を呼びかける。 そしてやがて血で血を洗う内戦となる。

 短期的にはこのパターンなのだが、実はもう少し長いレンジで見ると逆の流れが見えてくる。
 土地の生産性は遊牧においてはきわめて低い。その中でも灌漑できれば農業ができるところ には定住民が侵食してくる。
 たいていそういうところは遊牧民にとってもだいじな放牧地だから争いが起きるのだが、定住 民の経済力には到底かなわない。おまけに法律がだんだん出来てきて、これも定住民に味方 するから、だんだん追い立てられていくことになる。

 遊牧民は基本的に無政府主義である。「空をとぶ鳥のように、自由に生きる」のだ。国境などク ソ食らえだ。そもそも国だとか所有権などという面倒なものがあるからいけないのだ。 「中央アフリカ」という国が今や存亡の危機に立たされていると大騒ぎしているが、天才バカボ ンじゃないが「それでいいのだ!」ということになる。 たしかに一理あるな。