実は、「日本経済の再生のためには戦艦大和を掘り出して、新技術をつくり上げるしかない」と書こうと思っていた。つまり宇宙戦艦ヤマトの建設である。

ところがウィキペディアの「宇宙戦艦ヤマト」の記述が実に面白い。おかげで「宇宙戦艦ヤマト」論を書かねばならなくなってしまった。


私にとって「宇宙戦艦ヤマト」はべつに思い出ではない。ちょうど子供がそういう世代なのでお付き合いしただけである。

映画にも連れて行ったし、レコードも買って聞かせた。だから私自身の記憶としては銀河鉄道999とか機動戦士ガンダムとか科学忍者隊ガっチャマンとか全部ごっちゃになっている。

 

「宇宙戦艦ヤマト」論といっても、それほどのものではない。ウィキペディアを読んでわかったことを箇条書き風に書いて見ただけである。


1.「宇宙戦艦ヤマト」は虫プロ集団の創案である


最初の話は、放射能に汚染された地球を救うため宇宙船がイスカンダルに向かう話である。これは豊田有恒のアイデアらしい。SFの定番である未来終末論とスペース・オデッセイの組み合わせである。

これを虫プロダクションのスタッフがふくらませて、「宇宙戦艦コスモ」という企画に結実した。

私はいままで「宇宙戦艦ヤマト」はの松本零士作品の映画化だと思っていたが、そうではなくキャラ作りに雇われただけだったようだ。

2.「宇宙戦艦ヤマト」は西崎義展の作品である


プロデューサーとして参加した西崎は、各所を調整しながら連続TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の形にこぎつけた。

西崎は会議主義者であった。「宇宙戦艦ヤマト」の二つのアイテム、目的としての放射能除去装置と手段としての波動エンジンも企画会議から生まれた。

小説や漫画などの形で先行した、いわゆる原作(漫画、小説)は存在しない

キャラクター作りに虫プロの既存メンバーを使わず、松本零士を外部起用したのも西崎であったようだ。

3.メイン・ストーリーはスペース・オデッセイであった

豊田はストーリーの下敷きとして「西遊記」を想定していたという。

海は蒸発し地球は赤茶けた姿に変貌し、放射能汚染で地上の生物は死滅した。

人類は地下都市を建設し、抵抗を続けていたが、地下にも放射能汚染が進行していた。


そのとき、

宇宙の彼方イスカンダル星から、「放射能除去装置 コスモクリーナーDを受け取りに来るように」とのメッセージと、航海に必要な波動エンジンの設計図が送られてきた。

コスモクリーナーの受領のため宇宙戦艦「ヤマト」が旅立つ。

ヤマトはガミラス帝国と戦い、未知の宇宙空間における障害を乗り越えながら、イスカンダルを目指す。


4.「大和」に必然性はなかった

宇宙船のデザインはスタジオぬえの松崎健一が行い、戦艦「三笠」のイメージから「長門」らしくなり、最終的には「大和」となった。

西崎は戦艦大和を登場させることで悪乗りしたようだ。

出撃シーンと続く戦闘シーンで「軍艦マーチ」がBGMとして使用されている。戦争賛美アニメとレッテルが貼られるのを避けたい松本監督と石崎すすむら若手現場スタッフが西崎プロデューサーに猛反対した

そうだ。


勉強になった。

とくに、放射能除去装置「コスモクリーナー」はまったく現代的である。

 行きがかり上、アベノミクスのジャンルに入れておく。