鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

大阪府議会の劇的な逆転ドラマに至る経過を振り返ってみたい。

1.泉北高速鉄道とは

もともと泉北高速鉄道は南海との相互乗り入れを前提に建設されたものだ。

60年代に各地に大団地が造成されたが、大阪府営の泉北ニュータウンはその中でも屈指の規模を持つ大団地だった。

しかし、この地域の交通事情はきわめて悪かった。大量輸送手段としては鉄道増設しかなかったが、当時の国鉄には阪和線から路線を伸ばす余力はなく、最寄りの駅は南海電鉄高野線の中百舌鳥駅しかなかった。

地下鉄の御堂筋線もまだ難波駅までにとどまっており、万博との関連で北方への延伸が優先課題となっていた。

このため、大阪府は自力での鉄道建設を決め、中百舌鳥から泉北ニュータウンをへて和泉中央への鉄道を開設した。路線は南海電鉄との相互乗り入れを想定し、南海の規格に合わせた。

写真・図版

ほぼ全線が高架であり、踏切中百舌鳥駅付近の1箇所のみ。間が長いため較的高速運転する割合が大きい。泉北高速のいわれである。

南海電鉄と相互乗り入れしているが、乗客の多くは中百舌鳥駅で地下鉄御堂筋線に乗り換えてしまう。このため直通急行は中百舌鳥駅に停車させないという“いけず”をしている。

運営には府の第3セクター「大阪府都市開発」があたり、株式の49%を大阪府、関西電力と大阪ガスが各18%、他に3つの銀行が各5%を保有する。

泉北高速は1971年に営業開始。南海高野線と相互乗り入れし、大阪府が開発した泉北ニュータウンと大阪市内を結び、年間約4900万人が利用する。74年以降は黒字経営が続き、2012年の鉄道事業の営業利益は約13億円に達する。また大阪府は泉北ニュータウン開発で1381億円の利益を上げている。

つまりかなりのドル箱路線なのである。

なぜそれを売りに出すのか、「資産のストック化」と言われてもかなり眉唾である。

ネットにはこういう見方もあった。

大阪府が売りに出した理由。これまで大阪都市開発の利益は、りんくうタウンなどの損失の穴埋めに使われてきた。2010年にりんくうホテルなどの不良債権を破たん処理したため、大阪都市開発を高値で売却する見通しがついた。これを“ハゲタカファンド”に高値で売り、「なにわ筋線」などの大型開発に注ぎ込むというのが府の狙い。

 

2.大阪府都市開発(OTK)の話

https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/0/5/05707133.jpg

これは産経新聞関西版からの転載。余談だが、この新聞は他で知り得ない情報満載で、なかなか良い。

つまり、平成21年に当時の橋下知事のもとで号令がかかったことになる。「民間に委ねるものは民間に」との方針のもとで、金になりそうな資産を売りまくる。その売却益で新たな投資をするという「ストックの組み替え」路線は、維新の政策の柱となっている。

もうひとつ平成22年9月にOTKの一括民営化に方針を切り替えたのは、なかなか意味深長である。

ここでOTKというのは、「大阪府都市開発」という第三セクターの頭文字をとったものである。OTKは泉北高速鉄道を経営する主体で株式会社である。大阪府が49%を出資し、残りを大阪ガスと関西電力が折半している。さらに3つの銀行も数%づつ出資している。

OTKは東大阪市に物流拠点となるトラックターミナルなどの施設も運営している。一時はりんくうタウンにも手を出していたようだ。

この東大阪の貨物ターミナルが結構、物件として美味しいようだ。三菱商事が収益性の高いターミナル用地に興味を示していたという。

というわけで、話は一気に1ヶ月前に飛ぶ。

11月26日に、大阪府から「ローンスター社に優先契約権が与えられた」との正式発表が行われた。しかし実は11月13日に、正式発表に先立って「リーク」があり、ロイターを通じて配信されている。かなり綿密に裏を取っての記事だ。出処は分からないが、今なら機密保護法に引っかかりそうだ。

[東京 13日 ロイター]

複数の関係筋によれば、財政再建のために大阪府はOTKの売却を決定。9月以降の複数回の入札を経て、南海電気鉄道 や米系投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループなどが最終入札に残ったが、ローンスターが優先交渉権を得た。

なお、府は売却価格を総額670億円程度と想定していた。

ローンスターは、バブル崩壊後の1990年代以降、経営に行き詰ったホテルやゴルフ場、金融機関などを相次いで買収。経営再建後に株式上場(IPO)や、他社への売却で利益を上げることを主な投資手法としている。

今回の売却条件には、株式取得後5年間は譲渡を行わないなどの制限が課せられている。

ということで、問題はローンスター社という会社だ。

別な記事ではローンスター社は次のように説明されている。

ローンスター社は、アメリカの投資ファンド。2005年に捨て値で買収した旧東京相和銀行を、東京スター銀行として上場させたあと売却。莫大な売却益を得たことで有名となった。企業の買収や再生が専門のいわゆる「ハゲタカ」ファンドである。

なぜローンスター社が募集に応じたか、その理由は東大阪、茨木両市に所有するトラックターミナルではないかとも言われている。

それを知ってか知らずか、東大阪市の野田市長は知事と面会し、「OTKの資産の半分以上はトラックターミナルの価値。大阪全体を見渡した政策展開をお願 いしたい」と後押ししたそうだ。

どうも利権の匂いがプンプンする。

つまり府の資産を、物件の売り買いが専門の怪しげなファンドに売り払ったことになる。5年間は売買禁止となっているが、ローンスターが5年の年季明けに泉北高速を売りに出すことは目に見えている。


 

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