老健でベースにCOPDがあり、湿性の咳をしばしば繰り返す人が多い。
こういう人にはクラリスロマイシン(以下CAM)を“漫然”投与する場合が結構ある。保険適用外かも知れないが、どうせ持ち出しだ。
感じとしては、かなり肺炎への進行を抑えられるのではないかと思っている。
しかし肺炎になったりして病院に入り、戻ってくると、クラリスは切られている。

どうなのかと思って文献を調べた。

以下は、

COPD(慢性閉塞性肺疾患)を含む好中球性炎症性気道疾患にクラリスロマイシンの使用が認められる
-重症COPD治療法の開発-


というファイルからの抜粋

【研究内容および承認までの経緯】

1. COPD(慢性閉塞性肺疾患)やび慢性汎細気管支炎などの「好中球性炎症性気道疾患」は息切れや痰の増加で症状の悪化や死亡の原因となる。

2. 工藤翔二教授らはび慢性汎細気管支炎患者でのエリスロマイシン内服による生存率の改善を1998年のアメリカ胸部疾患学会雑誌に報告した。

3. マクロライドは抗菌薬としてこれまで適応が認められている。

4. COPDは、び慢性汎細気管支炎と同様に、細菌やウイルス感染で症状が悪化する。好中球性炎症を生じ、気道の浮腫や喀痰の増加が悪化の機序とされている。そのため、東北大の山谷睦雄教授らは、エリスロマイシンの臨床効果を多施設研究で見出し、2001年のアメリカ胸部医師会雑誌に報告した。

5. 続いて、山谷睦雄および工藤翔二らは多施設の全国調査で検証した。その結果、マクロライド内服による臨床効果を明らかにし、アメリカ老年病学会雑誌に2008年に報告した。
https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/d/1/d1975575.jpg

この結果を踏まえ、2009年の日本呼吸器学会COPDガイドラインからマクロライドのCOPD悪化(増悪)抑制作用が記載された。

(残念ながら、09年の第3版、13年の第4版はネットでは閲覧不能となっている)

6. マクロライドによるCOPD悪化抑制効果は2011年8月に大規模研究として欧米の研究者からも報告・追認されている。

7. 今回の通達はクラリスロマイシンの、COPD増悪に対する薬理効果が認められたものである。

ということで、保険適応も認められているようだ。

病院の先生がCAMを切るのは、他の抗生剤が行っているからかもしれない。あるいは趣味の問題かもしれない。

こちらもうろ覚えの知識だったので、確認できてよかった。