今日の赤旗国際面

12月9日 コロンビアの検事総長が首都ボゴタの市長を解任し、15年間にわたり公職から追放すると発表した。
どう考えても横紙破りだ。筋が通らない。

解任の理由は、ごみ収集事業について混乱を引き起こしたというもの。
市長はごみ収集の公営企業を立ち上げ、民間企業と競争しながら雇用拡大を進めてきたが、これが企業の自由な競争を制限している憲法に違反している、という。

これもメチャクチャだ。賄賂とか、犯罪とかに関連してのものならないわけではないだろうが、市長が公約に掲げ、選挙で勝利し、実行してきた政策を憲法違反と判断する権限が、一検事総長にあるだろうか。

これ自体が憲法違反ではないか。検事総長の論理から言えば、解任されるべきは検事総長自身だろう。

元検事総長のモラレス氏もそう考えている。彼は国会議長あてに検事総長の解任をもとめる書簡を送った。

ボゴタ市長

ボゴタ市長の名はグスタボ・ペドロ。2011年の選挙で左派勢力を代表して立候補し当選した人物だ。

「ごみ収集公社」は、富裕層への増税、貧困世帯の水道料引き下げなどとともに、ペドロ市長の一種の目玉政策となっている。

50年ぶりの政治闘争に発展する可能性


ボゴタ市中心部のボリーバル広場には4万人が集まり抗議行動を展開したそうだ。これは手始めだろうが。

コロンビアではこの50年間、暴力と虐殺の時代が続いてきた。合法的な反政府活動はほとんど不可能に近かった。
とくに80年代後半の白色テロは凄まじく、多くの野党指導者が命を失い、生き残ったものもジャングルに逃げこむしかなかった。
それがFARCでありELNであった。

やっと数年前から合法活動が可能になり、依然ブラックメールは後を絶たないが、首都ボゴタでは左派系の市長が実現するようになっている。

今度の事件は10年ほど前のメキシコの事件によく似ている。この時もメキシコ・シティーの革新派市長がその座を逐われかけた。
この時も市民が一斉に立ち上がり市長を守った。名前の頭文字をとってアムロと呼ばれる市長は、野党のシンボル的存在となり、次の大統領選挙で大接戦を演じた。(ラテンアメリカの大統領選では、野党候補は圧勝しない限り“惜敗”するものと相場が決まっている)

一気にコロンビアの政治情勢が動く可能性がある。見逃せない動きだ。