フラ・ナト・カナルの略歴

フラ・ナト・カナルはネパール統一共産党の議長であり最高指導者である。

1950年、ネパール南東部の生まれ。

トリブヴァン大学で政治科学の学位を取得している。

18歳でネパール共産党に入党。党の分裂後はML派に属し、12年にわたり地下活動・武装活動に参加している。この間、7年間を刑務所に暮らしている。

主にフロント組織に携わるようになり、全国的な共同戦線を構築した。

82年に古参幹部のマイナリを解任し、ML派の書記長に就任。その後、武装闘争を放棄し大衆運動を通じて政権を獲得する路線に大転換させた。

89年に大衆闘争が高揚すると、党組織の大同団結を呼びかけ、マルクス主義派との合同を成し遂げた。

当初は、古参幹部を立て、組織を下から支える側に回ったが、2009年からはネパールに代わり書記長に就任。最近は空席だった党議長となった。

「民主ネパールへの道筋」をはじめ10冊以上の著書を発表する理論家である。

党内ではマオイストとの共闘も推し進める左派の指導者であり、右派との対立は厳しさを増す可能性がある。