明神先生には大変申し訳無いが、「戦後史の汚点・レッドパージ」を読んでいて感動したのは、高見順日記の引用だった。

45年10月6日
特高警察の廃止、-胸がスーッとした。暗雲が晴れた思い。しかし、これをどうして聯合軍司令部の指令を俟たずしてみずからの手でやれなかったのか、-恥しい。これが自らの手でなされたものだったら、喜びはもっと深く、喜びの底にモダモダしているこんな恥辱感はなかったろうに。


特高警察の廃止を日本憲法の制定と置き換えても良い。
1.特高警察の廃止は歓迎すべきことである。
2.それは聯合軍司令部により押し付けられたものだ。
3.それは日本人に恥辱感を与えた。
 
つまり、日本人は右翼も左翼も戦後改革を押し付けと考え、それを恥辱と受け取ったのだ。
ただ左翼の恥辱感は右翼と異なり、メラメラと燃え上がるような恥辱感ではなく、モダモダしている恥辱感だった。
この「恥辱感」を、未だに引きずっているこのモダモダ感をきちっと整理しなければならない。
それこそが右翼と対決するための我々の倫理的拠り所となるだろう。